2010年08月10日

正しい現状認識をしなさい(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

元IBM会長のルイス・ガースナーは、「ハーバードビジネススクールで学ぶ最も重要なことは、状況がはっきりしないまま、限られた情報と限られた時間の中で、いかに事態を分析し、判断を下すかということだ」と述べたそうだが、ビジネスの現場でも全く同じことがいえる。いかにロジカルに問題を解決するかが、優れたビジネスマンかどうかを決めるといってよいだろう。

その第一歩が、「正しい現状認識」だと思う。このことは社内では何回も言っているのだが、未だに実践できていない人が多い。先日の勉強会「議論の仕方」では、5つの不毛な議論の話をした。その中に、次のようなものがある。

(1)問題でないことを問題と言っている
 →問題かどうかをまず議論する

(2)意見や思いこみだけで議論している
 →意見(コメント)と事実を明確に分ける

代官山時代のインタースコープでもあったのだが、ある人が「社内のコミュニケーションがうまくいかないと言っているので何とかしよう」という議論になった。こういう場合は、まずその人が何を社内のコミュニケーションと考え、何をもってうまくいっていないと感じているかを知る必要がある。また、それ以外の人がどう感じているかも聞く必要がある。

その上で、その原因を明らかにし解決すべきは解決すればよいのだが、なぜか当事者でない人々が、「あの人はなぜコミュニケーションがうまくいかないと感じたのだろうか。きっとこうだよ、そうかな、でもこうこうでないかな、いや違うよ。」などという不毛な議論をしていることはないだろうか。

これは実際にあった話なのだが、その人が別の人に、ちょっと愚痴をこぼしたことが原因で話が大きくなってしまっていただけで、本人さえも問題と思っていなかったのである。このように、問題でないことを問題だ問題だと話を大きくする人がいたり、それを自分の意見や思いこみだけで議論したりすることが結構多い。

クライアントからクレームがあった時なども、何が問題なのかを明らかにせぬまま、そのクレームを中途半端に受けて来たのでは解決のしようがない。まずは、正しい現状認識が必要だ。簡単に思える正しい現状認識が、なぜこれほどできないのだろうか。以下の3つのパターンがあるように思う。

(1)正しい現状認識がどういうことか分かっていない。
(2)自分では正しく現状認識していると思っているが、実は充分に理解できていない。
(3)正しい現状認識だと思っていないが、どうすれば正しく現状認識できるか分からない。

さすがに(1)はもう分かってもらえると思うが、(2)は比較的難しい。何かを理解する時に、表面だけで分かった気になる人は結構多く、つっこんでみると分かっていないというパターンだ。自分では理解しているつもりなので、人からつっこまれないと気づかないわけである。(3)はコミュニケーションの問題がある。ヒアリング力にもロジカルシンキングが必要だが、相手から正しい現状を聞き出す力がないと、当然自分も正しい現状認識ができない。

ロジカルな問題解決のための第一歩である、「正しい現状認識」をぜひ心がけて欲しい。


11:56

2010年07月25日

職能テスト実技の部(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

前回お伝えした通り、ALBERTでは年2回職能テストを行なっているが、職能テストには2種類ある。一つはペーパーテストで、どちらかと言えば知識を問うもので、もう一つが実技テストだ。実技テストは何らかのテーマに関して、分類整理して体系化するものだ。分類、整理、体系化は科学そのものであり、ロジカルシンキングの基本である。何か問題が起きた時に、正しい現状認識をする必要があるが、その時にその問題を分類、整理、体系化できるかどうかで、その人の問題解決力が決まる。

さて、今回のテーマは「一般生活者が携帯する電子機器を分類、整理し、体系化してください。」というものだった。約30分でこれをパワーポイント等にまとめなくてはならないので、例えば携帯電話の機能や機種までブレークダウンしてしまったらとても終わらない。まずは、木を見るのではなく森を見る必要がある。

分類、整理、体系化には色々な切り口が考えられる。従って正解はないが、より説得性がありキレのよい軸を設定する必要がある。今回の回答の中で、なかなか面白い切り方があったのでいくつか紹介しよう。

(1)アナログとデジタル
(2)使用目的(ビジネス-コミュニケーション-エンターテインメント)
(3)利用者世代(中高生-大学生-社会人)
(4)通信機能の有無
(5)機器の大きさ
(6)新しい-古い

それぞれに、納得のできる切り口であるし、これだけの発想ができるようになっただけでも、1年前から比べれば格段の進歩だと思う。優れている回答者のものを元に、模範解答例を人事に作ってもらった。さぞ大変だったことと思う。


23:39

2010年07月20日

2010年夏の職能テスト(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

先週行なった職能ペーパーテストの採点が終わりました。その中で、一般教養の部を公開します。内容はすべて監査役勉強会などで習ったことばかりなので、きちんと聞いていれば、誰でもできる易しい問題でした。満点は1名、1つだけ間違えた人が1名でした。さて、読者の皆さんはいかがでしょうか。


1.参議院は(          )とよばれ、豊富な知識と経験を持つ国民の代表が良識をもって、政治判断をする場とされる。衆議院には(      )があり任期が短いが、参議院は衆議院の議決を冷静にチェックし、(      )的な視点で善し悪しを見極めることが期待されている。

2.衆議院(   )歳で立候補できるが、 参議院はより深い専門知識や経験が必要とされるという理由で(   )歳以上でなくては立候補できない。

3.異常に増え続ける癌細胞の中に、とりわけ増殖能力の高い(        )という親分細胞が見つかった。

4.ブルーオーシャン戦略とは、競争のない市場に製品を投入することだが、(        )を下げかつ(        )を上げることが必要とされている。逆に競争が激しい市場を(            )という。

5.ALBERTの考えるOne to oneの最初のOneの意味は1(          )である。真のOne to oneとはお客様が買いに来られた時に、あたかも実際の店舗の商品知識が豊富で気配りのできる(         ) のようにあなたの好みを知っており、(        )の心を持って好みのものを提供してくれることを言う。

6.会社は、(      )時間中に、会社の負担において毎年(  )回定期に健康診断を行なう。
従業員は、正当な理由なく、会社の実施する当該健康診断ないしは会社が必要性に応じて勧める健康診断を(      )できない。

7.会社は1ヵ月における(              )が(     )時間を超えた者について(     )による 面接指導を受けさせるものとする。(就業規則に制定する)

02:04

2010年07月05日

シンプソンのパラドックス(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

毎週木曜日に行なっているデータ分析勉強会は、既に7回が終わっているが、ブログにアップすることをさぼっていて、ブログでは第2回目となってしまった。今日は『シンプソンのパラドックス』という有名な統計的パラドックスの話をしたい。

その前に、「パラドックス」とは何か?ということなのだが、パラドックスとは「逆説」の意味で、常識とは逆と説明されるが、少し分かりづらい。もう少しくだいていうと、あたかも正しいそうな仮説に基づいて構築された説明なのに、どう考えても納得できないような結論が出ることをいう。

例えば足の速いアキレスは前を歩く亀を追い抜けないという有名な「アキレスと亀のパラドックス」。亀はアキレスより前を歩いている。アキレスが亀がいた位置に到達した時には亀は前に進んでいる。再度アキレスが亀の位置に到達したときには亀はさらに前に進んでいる。こうしていつまでたってもアキレスは亀に追いつけないというものだ。結論は到底納得できないにもかかわらず、結論を導く論証過程自体は正しそうに見えるのでこれを正しく論破するのは難しい。

さて、今日のお題であるシンプソンのパラドックスだが、これはE.H.シンプソンによる統計学的なパラドックスで、母集団での相関と、母集団を分割した集団での相関は、異なっている場合があるというものだ。アンケート調査で、クロス集計(層別)をすると全体集計(GT)では見られなかった傾向が現れることがあるが、それとは全く別物であり、到底納得できない結果が出るのである。

あるメーカーが口内炎に効く新商品を開発したとしよう。既存商品との違いを確かめるために、それぞれ口内炎を患う100人を抽出しテストを行なった。その結果が以下の表である。(社長の上村がこのテストに参加したかは定かではない

detakaiseki02_1.JPG

この表を見ると、良いとした患者が既存商品では55%だったのに対し、新商品は58%と3ポイントアップしていた。「よし、新商品は開発に成功した!」と考えて良いのだろうか。3ポイントに有意差があるかはここでは議論しないとして、ごくあたりまえの商品企画や開発担当者やリサーチャーであれば、いやもう少しブレークダウンして男女別に見るべきだとか、より詳細な分析をするだろう。そこで男女別に見たのが以下の表だ。

detakaiseki02_2.JPG

この表を見ると、予想通り新商品は男性には効果があったようだが、女性には既存商品のほうが良さそうである。このまま発売していたら、女性には効き目の弱い商品を発売してしまうことになっていた。

ここまでは、ごく普通のクロス集計の考えで、よくある話である。パラドックスはここから始まる。念のために年代別にはどうなるかを見てみたのが次の表だ。

detakaiseki02_3.JPG

さて、この表を見て皆さんは何を発見するだろうか。もちろんテストは今回行なったそれぞれ100名に対する結果だ。先ほどは男女で効果がある、ないが分かれた。しかし年代別に見ると、20代は45%と既存商品のほうが3ポイント良い結果になっており、30代を見ても67%と1ポイント良い結果になっている。

合計すれば明らかに新商品のほうが3ポイント良かったものが、年代別に見たら、どちらも既存商品のほうが良くなってしまっている。これはどういうことなのだろうか。まさに、「母集団での相関と、母集団を分割した集団での相関は、異なっている場合がある」の実例だ。分割した集団の両方で悪いものが、合計すると良くなることがある。何となく狐につままれたような消化不良な話しかと思うが、なぜこのようなことが起きるのか、皆さんで考えてみていだだきたい。回答やご意見はツイッター@ygiskeで(w)。

02:14

2010年06月18日

卓球大会の組合せと賞品決定(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

自己申告などを含む事前投票で組合せを決定しました。賞品は、なんと「ニンテンドーDS」「デジカメ」「ビデオカメラ」から好きな物を選べます。3位決定戦も実施します。ルールは11点で2ゲーム先取。サーブは2本で交替します。

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15:57