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2007年09月24日

社員の力を決める3つの要素(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

会社の力は、社員の力の総和である。この事は、企業理念でも述べている。つまり、会社の力を伸ばすには、社員の力を伸ばさなくてはならない。社員の力は何で決まるのだろうか。加ト吉創業者の加藤義和氏の言葉にもあるが、私は以下の3つと考える。

①素質 ②教育 ③やる気

この中で、素質は入社してからは、なかなか変える事ができない。従って、採用の基準をどう作るかが非常に重要になる。私は、千葉大名誉教授、現在は東京未来大学学長であり、「頭の体操」で有名な多湖輝先生と非常に親しくさせていただいているが、マルマンでは多湖先生の開発された創造力テストを必ず入社時に実施していた。例えば、「牛乳びんを牛乳びん以外の目的で使用する方法をできるだけたくさん書け」といったものである。学校の成績が優秀でも、こういった正解のない問題が苦手な人が結構いる。そういう人の成績表や資格などは、正解のないビジネスの世界では全く役に立たない。マルマン創業者の片山豊氏は、私に何度となく「瓦はいくら磨いても瓦だ。今は光っていなくても磨けば光るダイアモンドの原石を探す方法を考えなくてはいけない」とおっしゃった。つまり、創造力テストなどを開発することで、素質のある社員を採用しろという事だ。

2番目の教育だが、これはかなり上司の能力や会社のシステムに依るところが大きい。強制的に通信教育をやらせたり、外部セミナーに参加させたりする事もある程度効果があるが、何と言っても大きいのはOJTだろう。忙しくなるとOJTや新人教育を拒否する先輩社員がいるが、「教育」を拒否するという事は会社の力を伸ばす必要がないと考えているのと同じである。私はインタースコープで「教育手当」というものを作っていた。多い人だと月5万円近くなったと思う。この教育手当は、自分や上司が評価するのではなく、教育を受けた側の評価だけで決まる。自分が誰からどれくらい教育を受けたかを全員が提出し、この合計によって金額が決まる。たとえ新入社員でもアルバイトでも、たくさんの事を人に教えると手当が増える仕組みだし、逆に窓際になろうものなら全く誰からも教育されたという評価を受けなくなる。この評価方法は、会社の力を上げる事に貢献した人を適性に評価できるので、非常に公平であり合理的であり、かつ人望などもよく見て取れる。ALBERTではまだ人数が少ないので実施していないが、社員が20名くらいになったら実施する予定である。もちろんこの手当は今までの給与にプラスαで上乗せするつもりだ。これほど会社において、教育という事が重要だと考えている。

3番目のやる気。これは採用時にやる気のある人に絞り込むという事も重要だ。これは、なかなか見抜く事が難しい。ちょっと要領のいい人は、面接では体育会系を装い「何でもやります」「頑張ります」言う事ができる。しかし、採用してみると「不満分子」になる事もあり、私が知っている多くのベンチャー経営者は、理念への共感であったり、コミットメント的な要素を面接で計る事は難しいと言っている。私は、インタースコープ時代から、レスポンスレイテンシーという手法を研究しているが、これをうまく活用した「人材レコメンドエンジン」を作ろうと思っている。やる気に関して、もう1つ重要な事は、経営者は社員がやる気になる環境を作る必要があるという事だ。「経営者は方向指示器付きお茶くみ器だ」という事は何回も言っているが、まさに「お茶くみ」をしなくてはならない。今はまだスタートアップの時期であり、充分な環境や設備を整える事はできないが、たとえば管理職でもきちんとゴミの分別をしてゴミ捨てをする、机の回りの整理整頓をするという事を口うるさく言うのも、他の社員に仕事のしやすい環境を提供する、1つの「お茶くみ」だと思って日々一緒にこのブログを書いている3人の若い経営者に文句を言っているのである。

22:52

2007年09月23日

スペック検索のスタンダードに、ファジィスペックサーチ【FSS】(上村崇)

posted by Takashi Uemura

先日日経産業新聞に取り上げられましたが、弊社のASPサービス、ファジィスペックサーチ【FSS】が東芝さんのパソコンオンラインショップ「東芝ダイレクトPC by Shop1048」に採用されました。

サービスはこちらからご覧いただけます
右下には弊社のレコメンドエンジンブランド「Bull's eye」のロゴマークがばっちりです。

商品やサービスを検索する際に、プルダウンなどから条件を指定して検索させる仕組みはよく見かけます。こういった検索方法の場合かならず起こる問題が、「条件に当てはまるものがありません」という結果が頻発してしまうというもの。
ユーザーは検索結果が表示されるまで何度も条件を変更してトライしなければなりません。検索結果が出てくるまでトライしてくれれば良いですが、ほとんどの場合離脱してしまうのではないでしょうか。これはサイト運営者からすれば当然機会損失になります。

こういった点を克服したのが、ファジィスペックサーチ【FSS】で、ユーザーが指定した条件に当てはまるものがない場合、より近いものから順に妥協した結果を返します。しかも、どの条件が指定した条件に当てはまっていないかを視覚的に表示します。

リアルの世界でのお買い物を想像してみると、このように妥協可能範囲を見出すという行為はあたりまえのように行われています。
例えば賃貸マンションを探している場合、
お客さん「駅から2分で、5万円のワンルームはありますか?」
不動産屋さん「うーん。2分で5万は厳しいねぇ・・お兄さん、もう少し我慢して7万出せない?」
お客さん「7万円ですかー・・ちょっと厳しいですね。では徒歩10分ならあります?」
不動産屋さん「それならこの物件があるよ」
こんな感じです。

こういったやりとりをウェブ上で実現するのが、ファジィスペックサーチ【FSS】であり、あらゆるスペック指定型の検索サイトのスタンダードになりうると考えています。

追記:彩を添えて

昨日近所の花屋さんで「クワズイモ」なるグリーンを調達しました。
「トトロの傘みたい」といった人がいましたが、なんとなく見てると和みます。

kuwazuimo.jpg

20:33

2007年09月12日

企業経営に求められる大切な価値観とは(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

以前「ごった日記」で、不二家事件についてエントリーしたが、企業経営に求められる最も大切なものは「クレディビリティ(credibility)」だと思う。クレディビリティとは次の3つを言う。
①「信」約束を守る
②「義」正しい事を行う
③「仁」思いやりの精神
先日、SBIの北尾さんのセミナーに行った話をしたが、その北尾さんの著書「何のために働くのか」からの引用だ。セミナー当日も北尾さんは「ミートホープ事件など、考えられない」とおっしゃっていたが、まさにその通りだと思う。もちろんこの価値観は、企業経営だけでなく、どんな場合にも必要なのだが、特に企業を経営する上では、目先の利益を上げようとしたり、まずい事は隠蔽しようとする意識が働きやすく、この程度ならいいだろうという小さな甘えが、大きな不正につながってしまう。
TDKの創業者の1人である山碕さんは、新入社員教育で「悪は急げ!」とおっしゃった。要するに、「何か失敗した時やまずい事があった時には、すぐ報告しなさい。すぐに報告すれば対策が打てるのに、報告が遅れたために取り返しがつかなくなる事があるからだ」。まさにこれは、クレディビリティの第一歩だと思った。小さな事でも嘘をつくと、それを隠すためにまた嘘をつき、どんどん問題が大きくなってしまう事がある。四半世紀前におそらく5分程度しか聞いていない話だと思うが、今でも強烈に覚えている。

23:08

2007年09月11日

捨てる勇気(上村崇)

posted by Takashi Uemura

近々山川語録全集に近い内容のコンテンツを当ページにUPすることになった。

その際の感動が薄まらないように、山川想いの私は、今日はあえて語録エントリーを避けることにした。
そもそも人のふんどしでBlogを書いているようなものなので、【語録シリーズ】はネタ切れの際の切り札としよう。

さて、表題の件。
「経営とは選択すること」といった人がいるが、経営に限らず、ビジネスにおいて、「選択すること」、もっといえば「捨てること」は非常に重要で、且つとても難しい活動である。

身近なところでいくと提案書の1枚でも、一度書いてしまうと非常に捨てにくいものだ。
バーバラ・ミントに言わせれば、自分の書いた文章はまるで「黄金の彫刻のように美しく見えてしまう」ものなのだ。
(傍目から見れば子供の書いた落書き程度のものであったとしても。)

コンサルティング会社で使い走りをしていたころ(最後まで使い走りだったのだが。)、
徹夜で産み落とした愛すべき何ページもの「紙」を、あっさり「ここから、ここまで、価値ないね。捨てよう。」と大部分、ばっさり切り落とされ、涙を飲んだことが何度もあったが、今思えば当たり前のことだ、むしろありがたい経験である。お陰で今は自分で書いた「紙」を捨てる勇気を持てるようになった。

弊社の提供しているレコメンドエンジンやメディアも同じだ。
研究時点で色々と面白い技術、機能が誕生し、気づかぬうちに目的から逸脱した部分まで盛り込んでしまいたくなることがある。まさに「イノベーションのジレンマ」である。

常にクライアント視点、ユーザー視点で目的的に考え、ばっさりと捨て続けよう。

22:07

2007年09月08日

就業規則の改訂(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

ALBERTの就業規則を改訂している。就業規則は、一定条件を満たした会社の場合、労働基準法で作成・届け出の義務がある。労務管理上のトラブルは就業規則の不備で起こるとも言われるので、経営者にも従業員にも周知徹底をはかる必要があるが、小さな会社では「雛形」通りのおざなりなものであったり、もしきちんとした就業規則があったとしても、経営者も従業員も詳細まで読み込んでない事も多いようだ。
確かにALBERTでも、創業時からそれなりの就業規則はあったが、忙しさにかまけて詳細検討ができていなかった。今回、人事担当の佐藤めぐみさんと常勤監査役の保月さんと3人で、一言一句細かくチェックをし、様々な事例を調べて改訂をした。
そもそも、就業規則の雛形やその手の参考書は気に入らない。企業理念を今後公開していく予定だが、当社では「人を使う」という言葉を禁止している。個人的には「部下」「下請け」という言葉も嫌いだ。共通する概念として、「上下の関係を前提として相手の意志に関係なく自分の思い通りにする」というニュアンスがあるからだ。そういう意味で、「労使関係」という言葉もALBERTには存在しない。なぜなら、「経営者」は「使用者」だと考えていないからだ。労働基準法第二条に「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」という条文があるが、そもそもこの文章から「対等」の意識は感じられない。法律用語とは言えALBERTでは容認する事はしない。労働者を従業員、使用者を経営者と置き換えても何ら問題ない。こういう文言ひとつ1つまでこだわって就業規則を改訂した。
現在、付則を見直しているが、取得期限のない買取り可能な「会社年休」など、ALBERTならではの規則を作っている。休みが1.5倍、給料2倍という理想の会社を目指しているが、就業規則も従業員にとって最高のものを作りたいと思う。

22:23

2007年09月05日

行動計量学会報告2(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

ヤフーバリューインサイト株式会社の池内君の発表は、『模擬購入実験による段階的ブランド選択モデルの分析~消費者の異質性を考慮した潜在クラス-2段階選択モデル~』という、何とも難しいタイトルであった。消費者は商品を購入するプロセスにおいて、まずは買ってもいいと思う商品群(考慮集合)を選ぶ第一ステップと、実際に購入する商品を選ぶ第二ステップがあり、マーケティング的には、第一ステップに入るための戦略と、第二ステップ、つまり購入に至らしめる戦略とは異なるという仮説がある。今回の研究では、デジカメを題材として取り上げていた。デジカメの購入者は大きく分けると、一眼レフ派とコンパクト派に分かれている様に思われるが、実は廉価で手軽な一眼レフと高機能で比較的高価なコンパクトデジカメがスペック的にも接近しており、一眼レフとコンパクトの両方を考慮集合に入れるという中間派の存在が明らかになった。
この事は、デジカメのレコメンドエンジンを設計する上で非常に有益な情報である。ニーズインプット型のレコメンドエンジンBull's eyeの開発においては、まずは商品の売場を観察し、消費者はまず何を決めるのかという事を考察する。デジカメで言えば、一眼レフ売場とコンパクトデジカメ売場は明確に分かれている場合が多く、これは多くの消費者が、自分が欲しいデジカメが一眼レフかコンパクトかを分かっているという傍証でもある。しかし、商品もユーザーも多様化している昨今、必ずしもこういった選択をしない消費者も多い事が池内君の研究でも明らかになった。軽自動車と1000ccのコンパクトカーが実は競合であった(つまり同じ考慮集合に入っていた)とか、コンビニの肉まんの競合は菓子パンやサンドイッチではなく、おでんであったという様な事例もある。何が考慮集合に入るかは、マーケティング的な見地からは非常に重要なポイントである。
実際の店舗では、一眼レフ売場、コンパクトデジカメ売場の他に、廉価一眼高級コンパクト売場という第3の売場を作る事は難しい。しかしWeb上の店舗であったり、レコメンドエンジンにおいては、この問題を解決する事はいとも簡単である。考慮集合に入れる視点は人それぞれであるから、必ずしも実店舗の入り口を想定したレコメンドエンジンを設計する必要はなく、もっと自由でファジーでいいはずだ。こういった発想というのは、以前のエントリーで書いた「否定技術」の1つであり、池内君の発表を聞いてまた認識を新たにする事ができた。
もう1つ、非常に重要な知見を得た。一般的にはスキャンパネル(自宅にバーコードリーダーがあり購入した商品を必ずスキャンして報告する仕組み)やPOSなどの実際の購買履歴データからは、考慮集合の分析はできないと考えられている。しかしアンケート調査では、直接回答者に考慮集合に関する質問をする事ができるので、先ほど述べた2段階選択モデルなどを提案する事ができる。
ところが、昨今AIDMAからAISAS(電通の登録商標)と言われ、ALBERTではさらにレコメンデーションを追加してAISRASというモデルを提唱しているが、このモデルであれば実際の購買データと共に、考慮集合に関する知見や、さらに購入後の満足度も取得する事ができるのである。そういう意味で、検索やレコメンデーションというステップに関わるテクノロジーを提供する事の社会的意義は非常に大きく、消費者行動分析における歴史を塗り替える事になる可能性もあると思う。
明日6日は、当社の佐々木がヒューマンインターフェイス学会で、やはりISSの発表をする。その報告がおそらく明日のブログにエントリーされると思うので、是非期待していただきたい。

16:24

2007年09月04日

行動計量学会報告1(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

トピックスに書いた通り、昨日はイメージ検索システム「ISS」の発表をした。今回の発表は、データ解析的には非常に稚拙なものだったが、調査と実際の選択行動のログ取得を同時に行い、その結果を比較したという意味では、おそらく過去に類を見ない、画期的なものではなかったのではないかと思っている。今日のY!VIの池内君の発表を聞いて、ますますそう思った。
会場からの質問としては、「絞り込みの時系列分析はできないのか?」というものがあったが、もちろん答えは「YES」。これからの課題だ。
発表後にパネルディスカッションがあった。座長は芳賀先生で、パネリストは早稲田大学の小島先生と、国土交通省の小野さんと私。お題は次の5つだった。
①好みの計量10年間の進化
②その間の研究のブレークスルー
③何が不足していたか
④今後何を期待するか
⑤ところで君の使命は何か
なかなか難しい内容だったけれど、思い起こすと私がインターネットリサーチのモニターを作って約10年が経過した。大学の卒業生名簿から作り始めたモニター組織。MCネットワーク→スコープNet、そして今はインフォプラントとと統合し、Y!VIになっているが、10年間の進化というのは、このモニター組織の進化でもあり、インターネットリサーチの進化そのものであったと思う。
行動計量学会での発表は、今回で5回目になるが、そのうち3回は評価グリッドがらみだ。テレビ電話を使った評価グリッド、WEB+電話による評価グリッド、チャットを用いた評価グリッドという内容であった。今回は、芳賀先生と共同で「商品グリッド」という新しい手法も発表した。評価グリッドが人の評価構造であり、商品にはあまり興味がないのに対し、商品の評価構造を作るのが商品グリッドだ。この考え方は、ニーズインプット型のレコメンドエンジン開発にも非常に有用だと思うので、是非取り入れて行きたいと思っている。(つづく)

20:59

2007年09月02日

否定技術(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

おそらくこの言葉は、上村の山川語録には入っていないのではないかと思うので、紹介しておきたい。
これはTDK時代に増島専務(当時)から教わった事だが、開発をするにあたっては、自社の技術を否定する研究をしなくてはいけない。例えば、TDKであれば、CD-Rなどの光記録媒体が出て来れば磁気メディアの存在が危うくなるし、さらに半導体メモリーなどの駆動部分がない記録媒体が出てくれば、光記録媒体も存在を脅かされる。それでも、否定技術を研究し、新商品を開発し続けなくてはならない。
ALBERTで言えば、ニースインプット型のエンジンが教えて!家電に搭載されているが、このロジックを否定するレコメンドエンジンを考えている。例えば、教えて!家電のフローは、インタースコープの設問設計技術が色濃く反映されており、回答による分岐型になっている。アンケートならそれでもよいかもしれないが、レコメンデーションでは別に質問の回答で分岐しなくてもいいじゃないか、などと考えている。近々公開する予定なので、乞うご期待。

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