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2008年01月20日

『5つのレコメンデーション(推薦)』(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

当社は、レコメンデーションの専門企業を標榜しているのだが、レコメンデーション(推薦)にも色々な切り口がある。その代表的なものが、当社で提唱している「ACKマトリクス」だ。ACKマトリクスとは、レコメンデーションの背後にある考え方である「レコメンドロジック」と「レコメンデーションに用いるデータ」という2つの軸によって体系的に分類したものだが、最近では日経コンピュータ2008/1/15号などメディアにも複数回取り上げられ、レコメンデーション分類の「デファクトスタンダード」になっている。混沌としていたレコメンデーションの概念整理に一石を投じたALBERTの功績は大きいと自画自賛している。

ところで、ACKマトリクスとは別の切り口で、『5つのレコメンデーション』というのをまとめてみた。
(1) ぴったりのモノを推薦する
(2) 似ているモノを推薦する
(3) 組み合わせの妙で推薦する
(4) ついでに買ってしまいそうなものを推薦する
(5) 思いもよらないものを推薦する
の5つだ。

(1)のぴったりのモノを推薦するというのは、まさに対話型の意思決定システム「Bull's eye」のコンセプトであり、ダーツのど真ん中を射貫く事を指す。「イメージセレクトサーチ」も、自分の気に入ったパーツや色で絞り込む事で理想の商品に近づく手法なので、これに入るだろう。
しかし、必ずしも自分の理想にピッタリの商品が存在するとは限らず、妥協しなくてはいけない事も多い。

(2)は、たとえば「代々木駅から歩いて5分、10万円で2DKに住みたい」という人に、そういう理想の物件はないので、多少妥協して「駅から10分ならあるよ」というお薦めをする場合だ。これは、理想の商品ではないけれど似ている、近い商品、をお薦めするという事で、「ファジィスペックサーチ」はこれにあたるし、「るいじしゃく」の一番商品に近いサークルはこれに分類される。また、欠品した時に代替え品をお薦めするのもこれに相当するだろう。

(3)は、このスーツにはこのネクタイがお似合いですよとか、お弁当と一緒に暖かいお茶はいかがですか、といった組み合わせで真価を発揮する商品のお薦めだ。組み合わせとして、何を推薦するのがよいかは、ビールとおむつのようなデータマイニングの手法であるマーケットバスケット(ACKマトリクスC2)を利用した手法も使えるし、もちろん協調フィルタリング(C3)や、ファッションコーディネータ等によるナレッジベース(K2)も使える。
この「組み合わせの妙」という推薦は、必ず「メイン商品」があり、それに対しての組み合わせなのでサブ的な推薦である事に注意しなくてはならない。ハンバーガーに対する「ご一緒にポテト攻撃」はまさにこれだ。また、どんな組み合わせがいいかの判断も意外に難しい。

(4)は、ちょっと毛色が違う。本当は買おうという意志がないのに、ついでに買ってしまう商品をお薦めするもので、リアルの店舗で言うところの「レジ横商品」のお薦めだ。ECで言えば、カートのページに「ガム」「のど飴」「電池」などの「そういえば、これがなかった」「ついでに買っておこう」と思い出させるような小物を置くという意味で、これは全くニーズがないのではなく、潜在的なニーズがある場合が多い。このあたりは、「おまかせ!ログレコメンダー」の応用として提供できるソリューションになると思う。

(5)は、まさにALBERTのロゴコンセプトでもあり、「セレンディピティ」の概念でもある。消費者が、日頃顕在ニーズとは感じていないが、「まさにこれは自分が欲しいと思っていたモノだ!」という潜在ニーズに驚きと感動を与える推薦だ。テレビ通販などは、こういう要素がふんだんに取り入れられている。この推薦を、パーソナライズしてしようと思うと、その人の価値観やライフスタイル、趣味などの「サイコグラフィック属性」と言われる心理学的属性がどうしても必要になる。これに関しては前回のエントリーで述べたが、NSX(Net Style Index)がいかに有用かという事が改めて認識できる。

おまかせ!ログレコメンダー」は、(2)~(5)の推薦にはもってこいの技術であり、幅広く活用ができる優れたエンジンであり、ただの協調フィルタリングエンジンとは趣を異にしている事がお分かりいただけると思う。

2008年01月20日 20:18