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2008年09月09日

秋の学会発表を終えて(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

今日、感性工学会で『SUDACHI』の発表をし、一連の学会発表が終わった。感性工学会に関しては、昨年も発表した。この時のブログで学会の効用について別の機会に述べると言ったきり、そのままになっているので、今回少し触れてみたいと思う。

大辞林によれば、学会とは「同じ学問を専攻する学者が、研究上の協力・連絡・意見交換などのために組織する会」だそうだ。という事は学会は元来「学者」だけのためにあったのだろう。しかし、最近の学会は産業界からの参加も多いし、私ももちろん学者ではないので裾野が広がっていると思う(もちろん質が落ちているという批判もあるが・・・)。

論文には、査読付きとそうでないものがあり、また学会発表にも査読セッションとそうではないものがある。査読とは学術雑誌等に論文を発表する際、あらかじめ同じ分野で仕事をしている他の研究者による評価を受け、適性かどうかを事前に審査する制度である。この論文の数がいくつあるかという事で、様々な事が判断されるらしいのだが、大学の講師になる時にも、査読付き論文が3件以上ないと難しいという事があるようだ。私の場合は、査読付き論文は佐々木大輔君と一緒に書いた「PSMに関する理論的考察とその改訂」しかないので、それなりに大変だった。

私にとって学会で発表する目的は、以下の3つである

(1)自分の勉強
(2)情報収集、情報交換
(3)自社の広報

秋の学会では、CSを上げるレコメンデーションファジィスペックサーチ、類似画像検索『SUDACHI』の3つが大きなテーマだった。学会発表のために自主調査を実施し、生活者にとってのレコメンデーションがどういう位置づけなのであるか等、多くの知見が得られた。この結果に関しては、近々発表の予定だが、忙しい日々の中で学会発表でもなければ、なかなかこういった調査をすることは難しいし、実施してもきちっとしたレポートは書かない。

幸いにして、私の隣にはリサーチに精通した人間がいる。菅由紀子だ。近々、とある場所で講演をする関係でこのプロフィールは公開されるので、まあ紹介してもいいだろう。

 中央大学経済学部卒。2004年株式会社サイバーエージェント入社。
 インタースコープ社との協業でネットリサーチ事業の立ち上げに従事。
 2006年3月に株式会社ALBERTに転じ、消費者向けウェブサイトの立ち上げ等に関わる。
 2008年1月よりメディア事業部チーフマネージャーに就任。

彼女は、設計から複雑な集計、レポートまで何でもこなす。お陰で今回のチュートリアルセミナーや一連の学会発表もとても助かった。本来の業務ではないのだが、そんな社員にも支えられ、色々な知見を得る事ができたと思う。

二番目の情報収集や情報交換という意味では、他の発表を聞いたりする事はもちろんだが、毎年参加していると人脈も広がり、様々な情報が入って来る。今回も用いた魅力品質と当たり前品質を応用した『CONEL』もそうだし、ニーズインプット型レコメンドエンジンに用いる評価グリッド法やテキストマイニングの技術など、すべて学会に参加していたからこそインタースコープの調査手法にもなったし、それがALBERTのレコメンド技術にも生きているわけだ。

最後に広報だが、学会に参加されている産業界の方、アカデミアの関係者に対しての認知アップもあるし、また発表するというニュースリリースや学会活動を盛んに行っている会社というイメージが、ALBERTの技術開発力を示す傍証にもなっている。

今年の学会は、比較的「開発した事実」の発表が多かったが、来年はその効果検証や膨大なログデータの解析をすることで、新たな知見を得たいと考えている。いかに、消費者にとって有用な情報を効率的に配信するかが、インフォミディアリ戦略の中核だと思うので、今後は精度と納得性の勝負になるはずだ。仮説構築は既にできているので勝算はある。


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2008年09月09日 21:18