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2009年05月24日
知情意と経営(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
2004年、インタースコープの年始の挨拶で「草枕をGM的に考える」と題して、「知情意」の話をした。GMというのはグラフィカルモデリングのことだが、ALBERTはリサーチ会社ではないので詳細はこちらをご覧いただきたい。なぜ2004年年頭に「知情意」の話をしたかと言うと、インタースコープはその時期が最も成長のスピードが激しく、組織に軋轢が出てきたからだった。私が2001年の4月に社長に就任した時の売上は約1億、2005年に退任する時には約11億になっていたのだが、2003年から2004年は、3.5億から7億に倍増した時期であり、人員も大幅に増員した。小さな組織でも、組織の壁やセクショナリズムが問題になるが、バス1台を超える人数になるとさらに顕著になる。今のALBERTは、まだ鍋蓋型の組織なので役員の一声で何とかなるという側面もあるのだが、それなりのヒエラルキーができた組織だと、それすら通用しなくなる。特に経営理念に「科学的アプローチ」を謳っていたインタースコープでは、「知」の管理の弊害が出て来ていたように思われた。そこで、インタースコープの理念をグラフィカルモデリング的に紐解いてみたわけだ。
夏目漱石の有名な草枕の一節はこうだ。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角(かど)が立つ。
情に棹(さお)させば流される。
意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。
とかくに人の世は住みにくい。
時代を超えて腹に落ちる一文だと思う。ここで知(智)情意とは何か?ということだが、
知・・・知識、理屈、道理、分別など
情・・・人情、気持、感情、情緒など
意・・・意思、意志、意地など
という説明をした。さらに現代社会での解釈は、
知・・・テクニカルスキル(専門技術力)
情・・・ヒューマンスキル(人間的能力)
意・・・コンセプチュアルスキル(概念創造力)
とも言われている。タイプ分けとしては、極端に分ければの話だが・・・
【知の人】
物事を知力で判断する。知力とは理論であり、経験とは異なる。理論に基づき合理的に判断するので、世間では冷たいとか理屈っぽい人に思われがちのタイプ。
【情の人】
自分の感性で判断する。簡単に言うと好き嫌いや相手の地位で判断する人。嫌いな人のやってる事は正しい事でも認めないとか、好きな人の言う事なら、信じても大丈夫だろうとかと考える人。世間では温かいとか人間味があるとか思われがちのタイプ。
そして、インタースコープの経営理念は、
科学的アプローチと・・・・・・・・・・知
徹底した人間主義により・・・・・・情
新たな価値を創造する・・・・・・・・意
という構成になっていた。これをグラフィカルモデリング的に表すとこうなる。

科学的アプローチ=山川ismであり、従ってインタースコープは「知」の通せない人には居心地が悪く組織的にもうまく行かないということだったのだと思う。しかし、現実的には、ある意味共同創業者の平石ismでもあるかもしれないが、「情」の経営をしていたと思う。何よりも私のことをよく知っている上村君は、「山川さんほど感情的な人はいない」と言うし私自身も常に人は感情の動物であり、意思決定で最も優先されるのは最終的に感情であると言っている。
営業も同じだ。最近はいくらモノが良くても売れない時代だと言われる。まして商品にあまり差別性がない時には、「どの商品を買うか」ではなく、似たような商品なら「誰から買うか」だと中堅の営業マン向け研修でも教えている。スペックやモノ属性も重要だが、クライアントはほぼ同等のスペックやコストであれば、最終的には買いたい人(会社)から買うだろう。逆に言えば、買われなかった理由がスペックでないとすれば、買いたいと思われる営業マンではなかったと思うべきで、その理由はいくら問いつめても決して言わないことを理解しておく必要がある。
2009年05月24日 22:39
