« 分析力を武器とする企業(山川義介) | メイン | 褒められなくなってからが一人前(上村崇) »
2009年06月20日
リーダーの要件は「知行合一」(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
日経産業新聞に連載されている「部長のための経営学講座」については、「意思決定理論」というエントリーでも触れたが、今週のテーマは「役員を目指すには」だった。役員を目指すことが必ずしもゴールではないとは思うが、部長のために書かれているとすれば次は事業部長か役員なのだろう。このタイトルは「真に信頼される経営者(リーダー)になるためには」と読み替えてもよいと思うが、非常に納得できる内容であった。
知行合一(ちこうごういつ)ということばは、明の時代に王陽明が唱えた需学の思想で知(知識)と行(行動)は合一(合致)していなければならないと言う考えで、「知識をつけることは、行動することの始まりであり、行動することは、つけた知識を完成させることである。行なわなければ、知っているとは言えない。知っていても行なわないのは、まだ知らないのと同じである。知って、行なってこそ、本当の知恵、真知である。」という意味だそうだ。理屈を学んだだけではスキーや水泳はできない。経営でも同じであり、「よきリーダーの要件とは学問と行動を融合させ、自らの経験知の厚みを増し、将来を見通して、決断を行なう軸を形成することにある」と述べられている。
実践に役立つマネージメント力は、思考と行動の往復運動を高速に繰り返すことで伸びるわけだが、具体的に真に信頼される経営者(リーダー)の要件とは以下の5つだそうだ。
(1)全体最適が思考の基礎にある
(2)人間的な魅力を備えている
(3)厳しさに耐える精神力がある
(4)ぶれない軸を持っている
(5)部下の育成に真剣に取り組む
この他に、知識に関しては全領域すべてをカバーできるはずはないので、勘所を押さえられる理解力や推察力、地頭の良さがないと務まらない。地頭の良さは、ある程度持って生まれたものもあるだろうし、20歳過ぎてはあまり変わらないのかもしれないが、上記5項目は学生から新入社員、管理者になるに連れて身につけていくのだ。ALBERTでは「全員経営者精神」であって欲しいので、少なくとも新入社員で入社3年目、25歳以上の人には全員身につけて欲しいところだ。
先日の社員研修で、社長から「今ALBERTの社員に足りないものは何か、それは『mature』だ」という話があった。つまり成熟していない、大人ではないという意味だ。自部署のことばかり考えて全体最適が考えられない人は確かに多い。何か問題が発生した時に、どうすれば解決するか、次回から問題が起きなくなるかを提案するのではなく、ただ不機嫌に担当者を感情的に怒ったり他部署の批判ばかりするような人がいる。全体最適が思考の基礎にないということだ。
世の中には、仕事はできるし頭もいい、しかし人望がない人がいる。上司には受けがいいが、同僚や部下から尊敬されない人もいる。こういう人は人間的魅力に欠けているということだろう。人間的魅力を身につけることは、非常に難しいことだと思う。人望や教養ということをいつも言うのだが、しかしまずは小さいことから実践するということではなかろうか。「最低限約束を守る」、さらには「期待値より少し上を行く」というのがよいと思う。約束を守るという意味は、たとえば待ち合わせに遅れない遅刻をしない、納期を守る、言われたことはやる、自分でやると言ったことは必ずやる・・・・などどれもあたりまえのことだ。
上村君も以前は出張で朝ホテルで待ち合わせる時も、ゴルフの時もほぼ毎回私より遅れて来ていた。しかも指定時刻より遅く来ることもしばしばだった。最近ではIDEAの橋本社長にも叱られ、そういうこともなくなった。ちなみに橋本さんは私が知っている経営者の中で間違いなく尊敬する5本の指に入るのだが、人間的魅力という意味ではNo.1だと思っている。年齢性別問わず、誰からも好かれ愛されていると思う。彼に頼めば何かやってくれるという信頼感があるからだろう。
ALBERTの朝礼には、未だに電車遅延を理由に遅れる人が多発する。確かに中央線は人身事故が多いかもしれないが、1本でも乗り遅れたら、または電車が5分でも遅れたら遅刻する時間にしか家を出ない人がいる。常に始業時刻の5分前以内にしか会社に来ない人は、魅力あるビジネスマンにはなれないと思う。あとは、やりますと口だけは元気な人がいるが、やれないならやれると言うなと思う。しばしば「あれはどうなってる」「あれはもうやったか」と言われる人は、人間的な魅力に欠ける素養があると思ったほうがいい。
研修でALBERTに足りないものは何かということを上村君が話したが、上記の5つのうち、(3)~(5)は比較的まだよいのではないかと思う。皆かなり頑張り屋だしベンチャーとしての方向性はかなり共有できていると思う。また勉強会などを通じて教育にも全員が力を入れている。全員が真に信頼される経営者になるために圧倒的に不足しているのは、やはり(1)と(2)だ。マネージャークラスのスタッフには、是非もう一度セルフチェックをして欲しい。
2009年06月20日 13:45
