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2009年07月14日

「多角化のジレンマ」と「集中のパラドックス」(上村崇)

posted by Takashi Uemura

「多角化のジレンマ」についてはこのBlogでも何度も触れてきた。

限られたリソースの中でビジネスを展開する上で、業容拡大のために多角化を行うと、パワーが分散してしまい、結局どれも上手くいかなくなることがある。という意味だ。

ALBERTでもメディア事業を展開している際には明らかに多角化のジレンマに陥っていた。
これに反省を得て、現在は「全社一丸」というスローガンのもとレコメンドエンジン事業に注力している。

僕たちのようなベンチャー企業の場合、「人、もの、金」全ての面において大企業に比べれば圧倒的にリソースが不足している。(量的に)
この限られたリソースを「成功可能性の高いビジネスに集中させるべき」というのは当たり前の話で、「経営とは取捨選択である」という人もいるくらいだ。

しかし、一方で、ベンチャーのスタートアップには「集中のパラドックス」という罠も潜んでいるのではないかと思うのだ。

スタートアップの時期というのは、確固たるビジネスモデルも、組織も、計画も、何もかもが白紙であり、まだやわらかいビジネスアイデアのみがある状態、取りうる選択肢というのは無限に存在しているということが多いだろう。

そういう中で、「選択と集中」に従って、一つの方向に完全に注力するというのは困難でも危険でもある気がするのだ。

いくつかの事業が既にあって、その中で芽が出てきているものがあるのであれば、迷わずそこに集中すればよいが、スタートアップだから芽すらまだない場合が多い。

少し取り組んですぐに成果が見えてくればよいがそうではない場合、始めに選んだ方向でどんどんと突き進んでいってしまって、ある時「この方向では成功しない」と気づくとか、進んだ方向はよかったが競合ひしめいており、「勝ち残ることができない」と判ってしまったらどうだろう。
その時、まだ別の方向でリスタートするだけの企業体力が残っていればよいが、そうでなければそこでゲームオーバーになってしまう。

そういう意味で経営者の「読み」や「ビジネスセンス」が非常に重要なわけであるが、一つに集中しつつも、取りうる選択肢をある程度広げ、次の一手二手を用意しておくことも重要だと思うのだ。

2009年07月14日 23:17