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2009年09月27日

枯れたサービスの水平思考(上村崇)

posted by Takashi Uemura

先日とある場で当社のビジネスについて、プレゼンする機会があった。
レコメンデーションテクノロジーをコアとした現状のビジネスと、今後目指す方向性について10分ほどで説明した。
その時、その場にいた会計士の先生が、「そういうソフトウェアのようなサービスは"開発をし続けなければいけない"から苦しいビジネスモデルで駄目だ」とおっしゃっり、愕然として一瞬言葉を失ってしまった。未知のデータが流れ込んでフリーズしてしまったロボットみたいに、固まった。

「開発はし続けなければいけない」というのは、僕たちのビジネスポリシーの根底、基本の「き」となっている考え方だ。山川語録紹介シリーズのエントリーでも真っ先に、【その1】として登場している。
というか、完全な企画倒れで、語録シリーズはこの1回限りで終わっている・・・(笑)
これだけでお腹いっぱいというほど重要な語録ということか。。

ソフトウェアに限らずあらゆる商品、サービスは法律で保護されるなどの完全な独占状態でもない限り、必ず陳腐化していく。差別性の高い商品サービスを「開発し続け」ない限りは未来はないのだ。

問題はどの方向に開発していくかとうこと。


今日は社員の是澤さんに借りた「任天堂"驚き"を生む方程式」を読んでいたのだが、カリスマ経営者の山内氏の懐刀として知られる故・横井軍平さんの有名な言葉で「枯れた技術の水平思考」というものがある。
任天堂は、据え置きゲームメーカーの各社が、高価なハイテクばかりを追い求めて熾烈な開発競争をする中、この軍平哲学に従い、既にある安価で安定している技術だけを使い、純粋に娯楽としての面白さのみを追求して水平展開し続けたとある。

この哲学には深く共感させられる。

ALBERTは現在ECなどのウェブサイトにレコメンデーションエンジンをASPで提供している。中でも「おまかせ!ログレコメンダー」は既に160サイト以上に採用され、それだけのノウハウが溜まり、チューニングも施してある程度「枯れた」ものになってきている。

今後はこのサービスを水平思考で応用していくことを目指している。
その一つがレコメンデーションテクノロジーを活用したカジュアルなCRMという方向性だ。
ウェブサイト向けのASPで培った技術を利用して、メールマーケティングやコールセンターなどでのLTVの最大化を実現していく。
「枯れたサービスの水平思考」だ。

10月7日(水)に開催するCRMソリューションセミナーではこの辺りを詳しく説明したい。

ちなみにセミナーは申し込み盛況ですが、まだ若干の空きがあるので是非お申し込みください。
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18:30

2009年09月17日

オフィス縮小!賃金を下げろ!人を切れ!(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

株主や社外取締役からこの様なご指導をいただくことがあると思う。インタースコープ創業3年目のことだ。オフィスを代官山から池尻大橋に移転したとき、将来を見据えてかなり広いスペースを借り、3階にはセミナーや会場調査ができる、ネットにつながるPCを24台完備した研修室も作ることができた。しかし業績はまだまだで、取締役会議は紛糾した。「なぜこんなに広いところに引っ越したんだ。」「3階のスペースはどうするつもりだ。」「外に貸すとか返すとか何とかしたらどうだ。」こんな声が出て、結局は総務が中心になって外部にパソコン研修室として貸し出す事業を始めた。

CAPI-anime.gif

実際、大手通信会社の新入社員研修に使われたり、いくつかの実績は作った。しかし、あっという間に社員は増え、さらに3階全フロアを借り増しても足りないくらいに成長して行った。私は1995年に独立して以来、毎年のようにオフィスを移転して来た。代々木1→代々木2→泉岳寺→中目黒→代官山→池尻大橋→代々木3という具合だ。現在のオフィスは2005年の8月に入居したので、もう5年目に入っており最長記録を更新している。

従って、オフィスの移転に関しては、それに関わる直接的間接的コストを考えると、極力すべきでないと考えている。現在のオフィスは、とてもラッキーなことに、丁度移転をするしかないかと考えていた時に、上の階と下の階が空いたので、3フロアになったのだが、長居に重要なのは、「売上が人の数に比例するビジネスモデルかどうか」ということだ。ALBERTでは売上が営業マンの数に比例しないビジネスモデルを作ろうということで、創業前から上村君と入念に検討をして来た。まだまだその時の思いが実現している訳ではないが、方向性に関しては全く間違っていなかったと思っている。

さて、今日の本題だが、ALBERTという会社は、普通ではない変な会社だと思う。もっと言えば「アリエナイ!」と思うわけである。なぜなら、このエントリーのタイトルにある「オフィス縮小!賃金を下げろ!人を切れ!」は、株主でもなく社外取締役でもなく、監査役面談で『社員』が話した事なのだ。もちろん、社員全員がそう思っている訳ではないが、少なくとも複数の人が、そのように提言しているそうだ。

確かに、私も上村君もリーマンショック以来の業界や当社が置かれている厳しい状況については何度も話している。ALBERTでは社員に毎月P/LやB/Sを公開しているので、会社の財務状況は皆把握できるようになっている。その結果かどうかは分からないが、経費削減案をオフィス縮小だけではなく、自らの賃金や首までにも言及しているという。そんな会社は、おそらく世界中探してもALBERTしかないのではなかろうか。

それだけ、社員が会社の事を考え、ひょっとしたら経営者以上に経営者精神を持って日々の業務に当たっているということだ。創業者二人が甘いという意見も出ているようで、確かに外部からそのようなご指摘を受けるなら分からないではないが、社内から出るという事は、まさに「労使逆転の構図」ではなかろうか。

私は「労使」という言葉が嫌いなので使わないが、労働者が会社(経営者)を使うのであれば大歓迎だ。「組合は要らない」ということを企業理念に書いているが、組合は「賃金を上げろ!人を切るな!」という事を言うのが相場であって、社員がその逆を訴える会社に組合が要るはずがない。私としてはまだまだ賃金が高いとは決して思っていないし、一部上場企業の平均にもなっていないと思うが、社員は全員今の評価や賃金にはほぼ満足しているそうである。

これだけの強い社員の思いを監査役を通じて聞かされ、一日も早く、「こんなに儲かっているんだから、もっと広い快適なオフィスに移転し、賃金も上げて人もどんどん採用して短時間労働にしてください!」と言われるような会社にしなくてはいけないと、気持ちを新たにした。

21:11

2009年09月07日

監査役全員面談結果(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

当社の保月英機監査役。実は、私のTDK時代の上司だ。インタースコープの時に監査役にご就任いただき、その後取締役を経て再度監査役になっていただいた。取締役から監査役になるケースはよくあるが、逆はあまりないと、弁護士の先生にも言われた。

さて、その保月監査役。もちろんメインのお仕事は取締役の監督など監査のお仕事だが、社員やアルバイトなどを対象に全員面談をお願いしている。直接上司や社長、会長に言えない事なども保月監査役には言えるからだ。なぜ皆が何でも言えるかには理由がある。それは聞いた事に関して決して誰が話したかを私を含め誰にも明かさないことだ。この不文律は2003年から今まで一度も破られたことがない。

過去に、この面談のおかげて、退職を決心した人が思い直し結果的には今でも元気に楽しくインタースコープの次の会社で仕事をしている人もいる。ただ、私がTDKを退職しようと思った時も当時の保月部長に相談したのだが、その時は「そうか。俺は去る者は追わない主義だ」と言われ、全く引き留められなかった。TDKにいても役に立たない人間だと思われたのか、またはこいつは説得しても無駄だと思われたかのいずれかだと推察している。

面接の結果はまとめで報告していただくのだが、経営や私自身に対する批判はかなり厳しいものがある。ショックで立ち直れないこともあるくらいだ。誤った現状認識や誤解によるところもあるが、そう思われても仕方がないと反省する事も多々ある。例えば、2003年インタースコープ時代のコメントにはこのような事が書かれている。

(経営、風土全般)
・一体感がない
・理念と現実が乖離している
・細かい議論が多く、大筋、基盤的な議論がない
・具体的施策に展開されていない
・求心力がない、共通の目標がない、先が見えない
・個人プレーで助け合いがない雰囲気
・セクショナリズムがあることが問題だがなるべくしてなった感が強い
・人の採用が多すぎる
・売上増=労働時間増大になっている
・上場を目指す会社のイメージではない
・残業代がつかないのは違法だと思うが訴訟したらいづらくなる

(山川に関して)
・山川トップ体制になっても実態は変わっていない
・もう少し丁寧に説明する必要がある
・人を見る目がない
・強い女性に弱い
・発言内容が突然変わり説明もない、発言がぶれることが多い
・現象の分析はしっかりしているが分析しっぱなしで最後まで責任を持って欲しい
・情に流されずに的確な判断をして欲しい、社長は寂しがりやではだめ
・圧倒的なリーダーシップが必要、超ワンマンでよいのではないか

今から6年前の指摘で、特に悪い部分のみを抜き出してみたが、皆さんはどう感じただろうか。全く当時から変わってないなと思う部分も、少しは成長したなと思う部分があるだろうか。私自身は、こういうありがたい社員やアルバイトからのメッセージを心に刻み、直すべきところは直そうと努力しているつもりだし、いやそうは言っても今のままがいい、またはそこを直してしまったら他が崩れてしまうとか、色々考えてはいる。先日も、ろくにチェックもしないくせに、最後の最後にダメ出しをしてけしからんと怒られたが、ここでは触れないが、これにも一応の言い訳がある。それにしても「強い女性に弱い」と言われているが、強い女性に強い男性などいるのだろうか。ここだけは今でも全く変わっていない自信がある。

さて、ALBERTの面談結果はどうだったのだろうか。実は、今回の監査役面談は今までとは全く異なる、「アリエナイ!」結果が出ている。ALBERTはどう考えても普通の会社ではなさそうだ。経営や風土に関しては、労働条件やビジネスモデルなど含め、インタースコープ時代からはかなり改善したと思っている。あとインタースコープ時代との違いは、自分なりの明確なビジョンや方向性が見えていることと、今やっている事への自信の強さである。そのあたり含め、ALBERTの全員面談の結果は次回のエントリーで書きたいと思う。

23:51