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2009年09月17日

オフィス縮小!賃金を下げろ!人を切れ!(山川義介)

posted by Yoshisuke Yamakawa

株主や社外取締役からこの様なご指導をいただくことがあると思う。インタースコープ創業3年目のことだ。オフィスを代官山から池尻大橋に移転したとき、将来を見据えてかなり広いスペースを借り、3階にはセミナーや会場調査ができる、ネットにつながるPCを24台完備した研修室も作ることができた。しかし業績はまだまだで、取締役会議は紛糾した。「なぜこんなに広いところに引っ越したんだ。」「3階のスペースはどうするつもりだ。」「外に貸すとか返すとか何とかしたらどうだ。」こんな声が出て、結局は総務が中心になって外部にパソコン研修室として貸し出す事業を始めた。

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実際、大手通信会社の新入社員研修に使われたり、いくつかの実績は作った。しかし、あっという間に社員は増え、さらに3階全フロアを借り増しても足りないくらいに成長して行った。私は1995年に独立して以来、毎年のようにオフィスを移転して来た。代々木1→代々木2→泉岳寺→中目黒→代官山→池尻大橋→代々木3という具合だ。現在のオフィスは2005年の8月に入居したので、もう5年目に入っており最長記録を更新している。

従って、オフィスの移転に関しては、それに関わる直接的間接的コストを考えると、極力すべきでないと考えている。現在のオフィスは、とてもラッキーなことに、丁度移転をするしかないかと考えていた時に、上の階と下の階が空いたので、3フロアになったのだが、長居に重要なのは、「売上が人の数に比例するビジネスモデルかどうか」ということだ。ALBERTでは売上が営業マンの数に比例しないビジネスモデルを作ろうということで、創業前から上村君と入念に検討をして来た。まだまだその時の思いが実現している訳ではないが、方向性に関しては全く間違っていなかったと思っている。

さて、今日の本題だが、ALBERTという会社は、普通ではない変な会社だと思う。もっと言えば「アリエナイ!」と思うわけである。なぜなら、このエントリーのタイトルにある「オフィス縮小!賃金を下げろ!人を切れ!」は、株主でもなく社外取締役でもなく、監査役面談で『社員』が話した事なのだ。もちろん、社員全員がそう思っている訳ではないが、少なくとも複数の人が、そのように提言しているそうだ。

確かに、私も上村君もリーマンショック以来の業界や当社が置かれている厳しい状況については何度も話している。ALBERTでは社員に毎月P/LやB/Sを公開しているので、会社の財務状況は皆把握できるようになっている。その結果かどうかは分からないが、経費削減案をオフィス縮小だけではなく、自らの賃金や首までにも言及しているという。そんな会社は、おそらく世界中探してもALBERTしかないのではなかろうか。

それだけ、社員が会社の事を考え、ひょっとしたら経営者以上に経営者精神を持って日々の業務に当たっているということだ。創業者二人が甘いという意見も出ているようで、確かに外部からそのようなご指摘を受けるなら分からないではないが、社内から出るという事は、まさに「労使逆転の構図」ではなかろうか。

私は「労使」という言葉が嫌いなので使わないが、労働者が会社(経営者)を使うのであれば大歓迎だ。「組合は要らない」ということを企業理念に書いているが、組合は「賃金を上げろ!人を切るな!」という事を言うのが相場であって、社員がその逆を訴える会社に組合が要るはずがない。私としてはまだまだ賃金が高いとは決して思っていないし、一部上場企業の平均にもなっていないと思うが、社員は全員今の評価や賃金にはほぼ満足しているそうである。

これだけの強い社員の思いを監査役を通じて聞かされ、一日も早く、「こんなに儲かっているんだから、もっと広い快適なオフィスに移転し、賃金も上げて人もどんどん採用して短時間労働にしてください!」と言われるような会社にしなくてはいけないと、気持ちを新たにした。

2009年09月17日 21:11