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2010年01月05日
2010年の抱負(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2009年、ALBERTは、「おまかせ!ログレコメンダー」で確固たる基盤を作り、新たな方向性としての「アフィレコ」「カジュアルなCRM」を発表しました。2010年は、これらを『形』にする年です。
「アフィレコ」は、メディチインパクトの著者であるフランス・ヨハンソンの言う「交差的イノベーション」と位置づけることだできるでしょう。また、「カジュアルなCRM」は、イノベーションのジレンマの著者であるクリステンセンの言うところの「破壊的イノベーション」であると思います。
どちらも、その発生はちょっとしたひらめきやアイデアから生まれています。「これをこうしたらよいのでは」という様なアイデアは、いくらでも浮かびます。しかし、それがクリエイティブであるかどうかは、「新しいかどうか」「価値があるかどうか」で決まります。そして、そのアイデアがイノベイティブになるには、「実現するかどうか」が重要なのです。心理学者であり創造性に関する研究の第一人者であるミハイ・チクセントミハイは、「ある思考が正しいかどうかは、何らかの基準に照らさなければわからないし、それが価値があるものかどうかは、社会的評価を得るまで明らかにならない」と述べています。つまり、「アフィレコ」がイノベイティブかどうかは、実際に人びとの目に触れ、使われ、評価されなければならないわけです。そういう意味において、レコメンデーションという道と、広告という道の交差点から生まれた交差的イノベーションである「アフィレコ」の真価が、2010年に明らかになると言っても過言ではないでしょう。
一方、「カジュアルなCRM」は、過去のCRMに関する多くの失敗が、イノベーションのジレンマに陥っているのではないかという疑念に基づいています。イノベーションのジレンマという著作は、クリステンセンが1997年に発表したものですが、あまりのインパクトの大きさに、優良企業では推薦図書にはできない(社員が辞めてしまうので)と言われるほどでした。 「顧客の意見に熱心に耳を傾け、新技術への投資を積極的に行い、常に高品質の製品やサービスを提供している業界トップの優良企業。ところが、その優れた経営のために失敗を招き、トップの地位を失ってしまう」。つまり、すべてを正しく行なうがゆえに優良企業は失敗するというものです。
例えば、いわゆるフィルム方式のカメラ。アドバンストフォトシステム(Advanced Photo System 、APS)をご存じの方も多いと思います。たまたま1998年くらいに、某カメラ会社のリサーチにからんでいたので、非常に親しみがありますが、従来のフィルムカメラの短所をことごとく改良した画期的なフィルムカメラでした。しかし、その後、レンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)やデジカメ、そして携帯電話に取って替わる歴史を見るにつけ、イノベーションのジレンマを思い知ります。
つまり、小型で超高性能のカメラを開発した優良企業の優良商品が、極めてスペックの劣るレンズ付きカメラ、やデジカメ(カシオのQV-10の画素数は25万しかなかった)に完全に凌駕されてしまったわけです。
同様のことがCRM業界でも起きているのではないでしょうか。例えばデータマイニングや統計のソフト。非常に高価で高性能、毎年の様にバージョンアップをし、どんどん進化しています。しかしながら、「買ったけれど難しくて使えない」「買った後にコストがかかる」「使っても思うような結果が出ない」という声をよく聞きます。これは、クリステンセンの言うところの、「ハイエンドで求められる性能を、製品の性能が越えてしまっている」ということにほかなりません。データマイニングを提供するソフト会社や高度なCRMソリューション、ERPやSCMソリューションを提供する優良企業も同様かもしれません。
製品の成長の傾きと、ユーザーの成長の傾きを比較すると、製品の成長の傾きのほうが大きいのが通常です。なぜなら、製品の開発は、その道のスペシャリストが寄ってたかって高度なものにして行くわけですが、普及が進めば進むほど、その新しい高度な技術に着いて行ける消費者は減って行くのです。今、皆さんが使っている携帯電話やパソコン、DVDレコーダー、様々なソフト、どれだけの機能があるかも分からないくらい高度で、しかもほんのわずかしか使っていないのではないでしょうか。
CRMも同じです。なぜ、今までのCRMソリューションが、超高額で導入に時間がかかり、しかも思うような結果が出ないということになっていたのでしょうか。まさにこれは持続的イノベーションの正しい姿であり、今こそ破壊的イノベーションとしての「カジュアルなCRM」が求められていると考えています。

クリステンセンのイノベーションのジレンマ
2010年01月05日 22:55
