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MarkeZineインタビュー「親和性スコア」で広告効率1.6倍!FLAG SHOPが目指す1to1マーケティング実現のカギとは

集英社が運営する「FLAG SHOP」は、同社が発刊する各年代層向けのファッション誌に掲載されているアイテムなどを購入できる、公式ファッション通販サイトだ。FLAG SHOPでは、データ分析を得意とするALBERTと開発した「親和性スコア」を用いることで、広告効率の改善と効果的な売上増に成功したという。今回は、集英社の石塚雅延氏と綿鍋幹男氏に加えALBERTの平原昭次氏を迎え、親和性スコアに関する話題を中心にお話を伺った。

雑誌のように「FLAG SHOP」も、
適切なターゲティングに基づき運営したい

石塚 FLAG SHOPは2007年2月に立ち上げた集英社の公式ECサイトです。当社は、若年層を対象とした『non-no(ノンノ)』、30〜40代の主婦を主なターゲットとする『LEE(リー)』、50歳前後の主婦層向けの『eclat(エクラ)』など、さまざまな年齢層に向けた月刊誌・季刊誌を発刊しており、FLAG SHOPでは、各雑誌で採り上げている衣類やファッションアイテムなどを取り扱っています。

私たちが所属するブランド事業部は、各雑誌の公式サイトを運営するメディア事業室と、FLAG SHOPなどのECサイトを運営するダイレクトマーケティング室の2つで構成されています。私はダイレクトマーケティング室で、全体のマーケティングやプロモーションなど全般の企画、戦略面を担当しています。

綿鍋 私はFLAG SHOPの開発・システム全般を担当しています。FLAG SHOPは、ECサイト構築パッケージである「ecbeing」を母体にしているのですが、フロントや各種DBの開発コントロールを行いつつ、ALBERT社をはじめとした外部パートナーと連携し、検索エンジンや決済まわりなども管理しています。

石塚 当社が発刊している各雑誌は、きちんと顧客の属性などでターゲティングを行った上で展開しているのに対し、FLAG SHOPは玉石混交で、すべてをまとめて取り扱っています。

たとえば、既存顧客向けに紙のカタログ通販誌を送付しているのですが、当初は全顧客に送付していました。しかし、送付や制作にはコストがかかりますので、誰が購入する可能性が高いのかを把握しないまま送り続けることに、課題感を持っていました。

当社の実状に合った形で、FLAG SHOPでも顧客のセグメント毎の購買予測を行った上でコンテンツを出し分けていきたいと思い、外部パートナーとしてALBERT社に相談することにしました。

以前から議論していた、購買・行動データの可能性

綿鍋 ビッグデータという言葉が一般化する前から、社内では貯まっていた購買データや行動データの可能性について、議論していました。当時はそういった言葉はありませんでしたが、今で言うDMPを構築して、1to1マーケティングのようなことがしたかったんです。

平原 2009年あたりからでしょうか。集英社様と「FLAG SHOPの訪問者全員にサイトを最適化するためにはどうしたらいいか」という議論が始まり、それが今日の礎になっています。

綿鍋 本当は自社ですべてやりたかったんです(笑)。ただ、そういうことを度外視して、ALBERT社とは10年近く、数々の意見交換を続けてきました。

購買データだけでなく、
属性・行動履歴データを活用すべき

綿鍋 私たちの感触では、特に2009年以降、ユーザーの趣味嗜好やライフスタイルの多様性を背景に、全員に同じ内容の商品訴求が難しい時代に入ったと考えています。

当時からレコメンドエンジンはありましたが、ユーザー全体の行動をもとにした協調フィルタリングでした。その情報は、サイト内でのレコメンド利用のみで、様々なアウトプットや施策に自由に使うことが難しいものでした。それをいろいろな形で活用できるのが、ALBERT社の「親和性スコア」だったんです。当社内では、「ALBERTスコア」と愛着をもって呼んでいたりもします(笑)。

平原 親和性スコアは、購買データだけでなく、顧客の属性データや直近の行動履歴などの様々なデータを総合的に用い、ショップやブランドとの親和性を測るものです。たとえばFLAG SHOPの顧客が仮に100万人いるとしたら、100万人×ショップ数分で、すべての顧客とショップの親和性スコアを算出します。そうすることで、顧客一人ひとりに対してどのショップのテイストとどれくらい親和性があるのかを、把握することができます。

石塚 導入前、私たちなりに購買データを用いてRFM(Recency:最終購買日、Frequency:購買頻度、Monetary:累計購買金額)分析を行っていましたが、これだけでは足りないと感じていました。サイト側にある行動履歴のデータを、活用することができていなかったからです。

綿鍋 行動履歴のデータと購買履歴のデータ、顧客属性のデータなどを紐づけて、総合的に活用したかったんです。一般的にECサイトは、全訪問ユーザーの数%しか購入しません。親和性スコアを活用すれば、残り90%以上の購入しないユーザーの動き方を検証することができるので、自社内でPDCAをまわせると考えていました。

スコアリングには忘却曲線を加味

平原 分析手法は統計的な処理を行っていますが、重みづけについては集英社様側と話し合いを重ねて定義しています。

「購買履歴評価」「閲覧履歴評価」「ユーザー属性評価」のそれぞれの点数を加算してランキング化し、FLAG SHOPでいうショップやブランドなどの、特定コンテンツに対するユーザーの親和性を評価するわけです。

たとえば購買履歴の場合、購入した当日を1と評価し、180日が経過したら0.2というように点数化します。過去の実績を勘案しながら、単純に減衰した点数を付けず、忘却曲線を念頭に入れてスコアリングしています。同様に閲覧履歴に対する評価もスコアリングしますが、購買と閲覧では忘却スピードが異なりますので、閲覧履歴の場合は14日経過時点で0.2まで下げる、といった形で行っています。

さらに、現在はスマートフォンの閲覧履歴も多く貯まりますので、PCだけでなくスマートフォンも含めてスコアリングし、一人ひとりのユーザーに対して精度の高いコンテンツが提供できる仕組みとなっています。

部数2万部減でも売上維持!
親和性スコアの顕著な成果とは?

石塚 自社のカタログ配布の例を挙げると、仮説として親和性スコアを導入してターゲティングの精度が上がれば、部数を下げても売上は落ちないのではないかと考えていました。実際に、主要媒体で自社通販カタログを5万部配布していたのを、親和性スコアをもとに3万部に減らしたのですが、結果的に売上は落ちませんでした。

綿鍋 広告効率で言うと160%ですね (笑)。配布のタイミングなどによっても効果の大小は変わりますが、確かな成果を得られました。

綿鍋 サイトやメールにはMAツールを導入しているのですが、そこに対しても親和性スコアを用いることで、アウトプットの精度を向上させています。現状はショップ別とブランド別でスコアリングしたものを活用していますが、明らかに良い結果が出ています。ピンポイントな対応を得意とするMAに、親和性スコアがちょうどフィットしたんですね。

今後は、カテゴリ別、アイテム別と、さらに細かな条件でスコアリングを進め、1to1のコミュニケーションを洗練させていきたいですね。

平原 我々は分析した結果をお持ちしますが、どのような要素を反映させるかは、集英社さんと話し合って決めています。ここが成果を上げるポイントだと思います。

石塚 MAツールが無い頃は、セグメントを細かく切ってそれに応じたアウトプットをすれば成果が出るとわかっていても、人手などの問題もありなかなか対応できませんでした。今はMAツールを導入し、ALBERT社のような分析ができる外部パートナーもいるので、半自動で1to1に近い形の対応ができます。あとは、いかにセグメントの精度を上げられるかだと思っています。

集客面、特に新規顧客の獲得にも応用したい

石塚 現状はまだ、サイト内のコンテンツの出し分けが、完全にはできていません。当面はそこをしっかりと行いたいです。理想としては、商品単位の詳細ページや検索結果の表示も、ユーザーごとに変えていきたい。それを1つのロジックでやろうとすれば無理がありますが、複数のロジックを組み合わせた親和性スコアを用いることで、そうした領域にチャレンジしたいです。

平原 複数あるロジックの組み合わせ方が大事なんです。私たちは決してファッションの専門家ではありません。引き続き、集英社さんと話し合いながら、親和性スコアの精度を高めていければと思います。

綿鍋 その他だと、サイトへの集客ですね。購買層やリピート層を強くするための対応は強化できているのですが、そもそものサイトへの流入数を増やしたい。たとえばオーディエンスデータと親和性スコアを紐付けて活用したり、雑誌別のサイトと組むなどの施策を打ったりしたいですね。

ALBERTでは、ビッグデータを活用た戦略に基づくマーケティング活動の実現をご支援しています。

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