CROSS TALK

「AI×ロボット」
~スマートファクトリー化をAIで加速するFUJI~

FUJI SMART FACTORY

電子部品実装機や工作機械の設計・製造・販売を手掛け、IoTによるスマートファクトリーの実現に取り組み、「FUJI Smart Factory」を掲げる株式会社FUJI。今回は、FUJI ロボットソリューション事業本部 制御技術部より、部長の中村様(前列中央)、AI課 課長の大池様(前列右)、同課 主任技師の江嵜様(前列左)にご参加いただき、株式会社マクニカ ソリューション事業部の楠様(後列左)と本村様(後列右)、ALBERT シニアアナリストの行方(後列左から2番目)、営業推進部マネージャーの日比生(後列右から2番目)が、FUJIのAI活用プロジェクトについてお話を伺いました。

「innovative spirit」で、常に新領域に挑戦し続ける

大池 FUJIは、電子部品の実装ロボットや工作機械の設計・製造・販売をメインで行なっています。またそれ以外にも新しい事業として、多関節ロボットやパブリックストッカシステム、介護ロボットなどにもチャレンジしています。また製造だけでなく、地域の児童向けに、科学などの授業を英語で行なう「teracoya THANK」にも取り組んでいます。

中村 私は転職をして入社したのですが、FUJIは新しい領域にもチャレンジできる風土だと感じます。前職と比べて、様々なことがその場で決まっていく。意思決定のスピードが早いですね。

大池 FUJIはもともと工作機械の製造が中心でしたが、最近ではチップマウンタが売れるようになり、またこの先についてはどのようなものが売れるようになるかわからないので、常に次の柱を探しているような状態です。そうした考え方により、さまざまなチャレンジができるような環境にあると思っています。

日比生 まさに、FUJIのコーポレートメッセージである「innovative spirit」が社内に浸透していらっしゃいますね。また今日は、ALBERTと業務提携を締結しているマクニカの楠様・本村様にも参加いただいています。

本村 はい。マクニカは半導体やネットワーク・セキュリティ関連商品を取り扱う商社で、FUJIとは昔からお取引があり、マウンタ等のハードウェアに対してエレクトロニクスのサポートをしています。楠と私の部署では、IoTとAIのコンサルテーションとインテグレーションを行なっています。データ収集からアルゴリズムの実装までサポートしているのですが、それにはデータ分析やアルゴリズム実装といった高度な技術が必要となるため、ALBERTと協業することで、一貫してお客様をサポートできています。

 マクニカは半導体・ハードウェアに強みを持っていますが、なかでもGPUやFPGA、将来的に出てくるであろうAIの専用チップをすべて持っているということ、また、センサーやアクチュエータ系のデバイスを持っていることも強みだと思っています。

株式会社FUJI、株式会社マクニカ、株式会社ALBERT

日比生 大池様と江嵜様はAI課に所属していらっしゃいますが、AI課がFUJIに作られた経緯を教えてください。

大池 はい。以前から私と江嵜は画像認識を専門に取り組んでいまして、これまでも画像の世界では機械学習などを使っていたので、AIの分野自体については全くわからないという状態ではありませんでした。世の中がAIブームになったときに、FUJIの社内でも出来る人間がいるという話になりまして、私と江嵜が呼ばれて、AI課を作りましょうという話になりました。

江嵜 そもそも社内では、画像処理の分野でAIや機械学習が使われているということはほとんど認識されていなかったと思います。そうした技術を他の業務や事業でも幅広く使えるように、社内への広い周知や外部へのアピールに繋がるということもあって、AI課が作られました。

世界中のスマートフォンの約半数のスマートフォン基板が、FUJIの実装ロボットで生産されている

世界中のスマートフォンの約半数のスマートフォン基板が、
FUJIの実装ロボットで生産されている

高度な分析力と誠意ある対応で、パートナーとして信用できる

本村 FUJIでIoTに関するプロジェクトが立ち上がったのが2016年で、IoTやAIを活用してやりたいことが固まったタイミングということでした。その頃ちょうどマクニカではALBERTとAI分野で協業しましょうという話をしていたところだったので、マクニカとALBERT共同でFUJIに提案することになりました。10社競合がいるなかで、最終的に提案を採用いただきまして、プロジェクトが始まりました。

大池 はい。その際は、ALBERTにデータ分析の豊富な経験があるということと、データサイエンティストがたくさん在籍していることが決め手となりました。

江嵜 また、テストとしてお渡ししたデータでの分析の際、誠意ある対応だったということも理由のひとつでした。わからないことを適当にせず、お茶を濁さないという姿勢だったので、パートナーとして信用できると感じました。信頼関係が一番だと思います。

 そうですね。マクニカもさまざまなパートナーとお付き合いがありますが、ALBERTはそのなかでもダントツで技術力・分析力があり、また誠実な対応をしてくださると感じています。

行方 ありがとうございます。データサイエンティストが技術的な部分をサポートさせていただくというだけではなく、プロジェクト全体をFUJI、マクニカ、ALBERTの3社で一緒に作り上げている実感があり、有難いです。

動きを定めるティーチングが不要な多関節ロボット
動きを定めるティーチングが不要な多関節ロボット

新規事業のひとつである、動きを定めるティーチングが不要な多関節ロボット

技術的な裏付けを確認した上で、一緒に作り上げていく

日比生 AI活用においては、どのように投資基準を判断されているんでしょうか。

大池 AIに関して言えば、勘に近いですね。AI以外ですと厳しい判断となるので必ず回収計画書を作成するのですが、AIの場合は、こういうことができそうなので取り組んでみませんかという提案をして、進めてみようという話になります。

江嵜 明確な判断基準がないので怖いです。

行方 そうなんですね。将来的にどの程度の効果があるかというのは市場調査したとしてもなかなか予測できるようなものではないと思います。判断は難しいですよね。

江嵜 はい。細かくステップを区切って、その都度この先も追加投資するかどうか判断する方法で、手探りで進めています。

日比生 ただFUJIの場合は社内に技術的に詳しい方もいらっしゃるので、技術要素をご納得いただいた上で、最初の要件定義の部分から一緒にプロジェクトを作り上げることができていると実感しています。ただ勘で進めているのではなく、技術的な裏付けもきちんと確認した上で進めてらっしゃる印象があります。

行方 これまでさまざまな企業と多数のプロジェクトに取り組んでいますが、ご一緒していて、常に技術的な部分まで細かく把握してくださっていると感じました。これは非常に珍しいことだと思います。

江嵜 そうかもしれません。たとえば大学と共同研究するときも、ただ結果をもらうだけではなくて、社内でも技術を身に着けて、育成に活かしていくということも意識しています。

大池 私自身、ただお願いして結果をもらうだけではつまらないと感じています。そうしたこともあって、一緒に作り上げていくようなお付き合いができる企業をパートナーとしています。

本村 他社の場合だと、社内に知見がある人が一人もいない中AIを活用しましょうという話になった際に、どういった基準でパートナーを選べばいいのか、何をしたらいいのかわからない状態になりがちなケースが多く見受けられます。その点FUJIは技術を理解した上で進めていらっしゃるので、これが2年前から今まで分析や開発プロジェクトを順調に進めてこられている秘訣なのかなと感じます。実は、マクニカにとってAIのサポートはFUJIが初めてだったので、むしろこれが普通のことなのかと思っていたんです。その後徐々に、こうした企業はほとんどないのだということに気が付きました。

江嵜 それは、やはりもともと画像処理を専門に取り組んでいたことが大きいのだと思います。

行方 それが素晴らしいことですよね。技術的なノウハウをたくさんお持ちだからこそ、こうして順調にプロジェクトが進められているのだと感じています。

電子部品をプリント基板に配置する、電子部品実装ロボット

電子部品をプリント基板に配置する、電子部品実装ロボット

AI領域における人材育成

日比生 FUJIには技術に詳しい方がたくさんいらっしゃいますし、今後さらにAIや機械学習を活用されていくのだと思いますが、人材育成にはどのように取り組まれているんでしょうか。

大池 取り組みは進めていますが、なかなか簡単ではないですね。

江嵜 ベーシックな部分から進めなければいけないので、難しいです。ただ以前から、中村は統計教育に取り組んでいたんです。

中村 はい。AI課ができる前から、統計教育の取り組みをしていました。もともと前職でも統計を活用した経営改革に取り組んでいて、講師をやっていたんです。転職後、FUJIでも教材を作り人材育成を担当していたのですが、今年からは大池と江嵜に引き継ぎました。

江嵜 いまは設計部門全体で取り組んでいて、将来的には全社に広げていきたいなと考えています。

今後差別化の要素となるのは「AI」

日比生 今後はどのような場面でAIを活用していきたいと考えられていますか。

大池 まずは、最近さまざまな企業で行なわれているとは思うのですが、「故障予知」ですね。そして「オペレーションの単純化」にも使っていきたいと考えています。ゆくゆくは工場のなかには人がいません、という状態にしたいと思っています。

中村 お客様が求めているのはかっこよく見える機械などではなく、「人件費削減」など、冷静に判断できる部分だと思います。ハードウェアは競争が厳しいですが、そうしたなかでも、今後差別化の要素となるのは「AI」かなと。お客様に効率良く使っていただく、ということが差別化につながると考えています。

江嵜 昔は工場の人件費はあまり高くなかったので人が作業しても問題ありませんでしたが、最近は人件費も高騰していますから、自動化に対する要求はだんだん高まっていると感じます。

日比生 そうですよね。コスト削減以外にも、製品の競争力を高めていく際にもAIは活用可能かと思うのですが、その領域については今後どのようにAIが貢献していくとお考えですか。

中村 「競争力」という言葉を広くとらえた場合、製品の魅力という部分ももちろんありますが、我々FUJIが持っている工場の効率化や、一般事務職・開発設計業務の効率化など、さまざまな部分でAIは活用でき、競争力につながると考えています。実際に江嵜も、社内の自分達の仕事の効率化向上にAIを活用しています。

江嵜 はい。以前は設計ノウハウをためておらず個人で持っているような状態だったのですが、AI導入によって、ノウハウを共通で使えるようになりました。それにより設計の品質も上がり、より良い製品の製造につながっていると感じます。

株式会社FUJI

本村 メーカーにおけるAI活用は、自社製品の魅力向上と現場の業務効率化に大きくわけられるかと思いますが、現時点ではまだこのどちらか一方だけに取り組んでいるメーカーが多いので、FUJIはすでに両方に取り組まれており、とても先進的な企業だと感じます。

大池 そうですね。FUJIの工場でも、スケジューリングやモノの手配、出荷まですべてAIがコントロールしていけば、おのずと製品の競争力も上がっていくと考えています。今後将来的には、モノの販売はシュリンクしていくのだと思います。そうしたことから、モノだけではなく、サービスで勝負していく必要があるのではと考えています。

中村 マクニカでもそういった発想はおありなんですか。

 はい。マクニカでは150社以上の仕入先商品の物流のために大規模なロジスティクスを抱えており、出荷までの物流効率化のための実証実験が始まっていますし、業務改善の取り組みを進めています。

日比生 近頃「モノからコトへ」という言葉もたくさん聞きますし、徐々に業界の垣根がなくなっていくということも言われています。そういったなかで常に進化し続けるためには、今後さらにAI活用が課題解決において重要になりますね。引き続き、マクニカとALBERTで、センサーやデバイスに関するサポートはもちろん、AIのアルゴリズム構築から組み込み、人材の育成というところまで様々なご支援をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

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