CROSS TALK

スグレス導入で800時間の工数削減を実現。
蓄積したノウハウと提案力でグループ各社の業務改善に挑む

ITサービスの企画・提案から構築・導入・運用に至るトータルITソリューションを提供するトヨタシステムズは、「最適解を、ITで。」というスローガンのもと、トヨタグループのビジネスをITで支えています。昨今のトヨタグループを取り巻く事業環境は、CASE等次世代モビリティサービスの進化によって100年に一度の変革期と言われています。それに加え、コロナ禍による劇的な社会的価値観や行動の変化等、ITの果たす役割はますます大きくなっています。

今回は、株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部の担当者の皆さまに、チャットボット導入によってどのように同社の業務効率化や生産性向上を実現したのか、さらに今後のトヨタグループへのチャットボット導入による業務改善支援について、営業担当のALBERT塚本がお話を伺いました。

※この座談会は、2021年7⽉に新型コロナウイルスの感染対策を講じたうえで実施しました。

導入初期は一部からの低評価や利用数減少も。
ユーザー目線で2つのポイントに着目して利用実績を拡大

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部 中山様

塚本それでは早速、今回のプロジェクトについてお聞かせください。

中山私たちのチームのミッションは、一言で言うとトヨタグループ各社へのチャットボットの導入です。 社内問い合わせに関する工数削減はもちろん、チャットボット導入支援や導入後の利活用促進のためのサポート等を行っています。

現在、社内で展開しているチャットボットであるスグレスには、人事や総務等の社内管理系の業務全般に関するFAQを登録しています。また、トヨタグループ各社に行っているスグレス導入支援では、ツールに関する社内問い合わせ対応等のベーシックなものから夜間対応となるような海外代理店からの問い合わせ対応もサポートしています。最終的には、ホワイトカラーの生産性を圧倒的に向上させるために、社員一人ひとりにバーチャルな秘書を割り当てることを目標として活動しています。

塚本将来的には一人ひとりに「バーチャルな秘書」が対応できるようにという構想は大変興味深いです。ぜひ具体的なイメージがありましたら教えていただけるでしょうか。

中山おおまかに三つの観点で考えています。一つ目がマニュアル化可能なあらゆる業務を代行してくれる秘書、二つ目が社内のあらゆる問い合わせに対応してくれる秘書、そして三つ目が行動を提示して補佐してくれる秘書。 チャットボットを活用することで、こういった能力を兼ね備えたバーチャル秘書の実現を目指しています。

塚本なるほど。それに向けた取り組みの一つが今回のプロジェクトである、AI・高性能チャットボット「スグレス」の活用だったわけですね。
それでは次に、今回のプロジェクトについて立ち上げの背景や課題だったこと等をお伺いできればと思いますがいかがでしょうか。

大橋まずはプロジェクトの立ち上げ背景からご説明します。 このプロジェクトは、はじめからチャットボット導入を目的にスタートしたわけではありませんでした。当初は、トヨタグループ社員の役に立てる技術として人工知能を活用できるかどうか、まずは検証する目的で、2017年からR&D研究開発の活動として人工知能研究が開始されました。

はじめに、人工知能を活用した様々な技術やツールについて、実現性やコスト、グループ内での展開のしやすさ等を比較しました。そのうえで、導入や取扱いのしやすさ、導入後に期待できる効果等を総合的に鑑みて「問い合わせ窓口の業務効率化」という点に着目し、そこからチャットボットの試行開始に至りました。

試行時は他社製チャットボットを利用していましたが、二つの課題がありました。 一つ目は、社内で試行した際、20代30代の若手社員からはチャットボットの導入に対して「役に立つツール」と一定の評価をもらいましたが、40代以上の社員からは「あまり役に立たないツール」という評価をされたことです。 これは、普段からチャットに慣れている世代かそうでないか、という差が出たのではないかと思います。

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部 大橋様

また、導入当初はFAQがまだ十分に整備されていなかったため、若手社員からの汎用的な質問には回答できるものが多く、一方で熟練社員からの特殊性の高い質問にはなかなか回答できていなかった可能性もあり、その点も低評価の要因の一つだったのではないかと思います。

二つ目として、試行開始直後にあまり役に立たないという印象を持った方は、それ以降も使ってくれない傾向があり、利用数がどんどん減ってチャットボットの活用が社内になかなか浸透しないという課題がありました。

そこで、私たちはチャットの月次ログデータを分析したところ、二つの重要な点に気が付きました。まず一つ目が、よりユーザーに興味を持ってもらう必要があるという点、二つ目が普段業務で使用しているツールやチャネル上でチャットボットが使えることが重要であるという点です。

興味を持ってもらうことに関しては、ユーザー視点で使いやすいデザイン性に気を配ったり、月間で多かった問い合わせについて、社内ニュースで紹介したりしました。さらに動線設計では、全社員がアクセスする社内ポータルサイトのトップページにチャットボットを置き、当社を含めトヨタグループが使用しているグループウェアのツール上からも利用を可能にしました。 それらの効果もあり、スグレスへの切り替え以降、現在は社内で月に5,000件から6,000件の利用実績があります。

【アイコン画像、月間社内ニュースのイメージ】

アイコン画像、月間社内ニュースのイメージ

塚本ありがとうございます。 最初に低い評価をされていた方もいらっしゃったとのことですが、スグレスへの切り替え以降はいろいろと改善されて導入当初より利便性もだいぶ上がっているかと思います。

大橋はい。スグレス自体の性能改善や利用方法などを丁寧に説明することで、最近は様々なところから「回答精度も上がっており、以前よりも使いやすくなった」という声が増えています。スグレスの分析機能と自社で実施している分析を組み合わせて毎月のログ分析を行い、その分析結果をもとにFAQを充実させ回答精度を上げるといった取り組みが奏功し、そういった声につながったと考えております。

例えば、質問のランキングから「この単語からの質問に答えられていない」という項目等があれば、その単語に関係したFAQや辞書を整備したり、ログ一覧をダウンロードして、Excelで正答率を確認したりしています。他にも挨拶や雑談等を整備して、さらに使ってもらいやすい工夫を考えています。ログの分析は、人手は少しかかりますが10時間~15時間位かけて毎月実施しています。

塚本スグレスを導入いただくにあたり、最初の印象がとても重要であることを、私たちからもお客様に必ずお伝えしています。トヨタシステムズ様では、導入時だけでなく継続的にその点に非常に気を配って運用されており、大いにスグレスを活用いただけていると感じます。

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部の担当者の皆さま

スグレスが毎月5,000件以上の問い合わせに対応、約800時間の工数を削減

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部 日野様

塚本トヨタシステムズ様では、社内展開にあたりスグレスをどのように活用しているのか、もう少し詳しく教えてください。

日野先程もお話しましたが、弊社では、全社員が使うためのチャットボットとしてスグレスを導入しており、人事や総務系等の社内管理業務全般に関するFAQを登録しています。月に5,000件以上の問い合わせ(利用実績)があり、1体のチャットボットで問い合わせ工数削減効果は推定で800時間/月ほどと大幅に削減できています。

現在は管理部門の業務だけでなく、「本部」や「部」単位での固有情報をFAQに登録し、各部門間における問い合わせ工数削減を推進しているところです。特に、インテントFAQによるインフルエンザ対応や年末調整等の同じような問い合わせが多いタスクでは、短期集中的な担当者の負担軽減に役立ちました。汎用的な質問への対応時間が減った分、特殊な質問等への対応に集中することができるようになったと聞いています。 さらに、社内だけでなくお客様(社外)向けにトヨタシステムズのサービス情報に関する質問に対応できるチャットボットの導入を現在計画中です。

塚本ありがとうございます。社内利用でのノウハウ蓄積を活かし、今後は社外向けにもご検討いただいているのですね。また、工数削減効果については非常に興味深いです。

トヨタグループ5社で19体のスグレス導入を支援、
カスタマイズでトヨタグループの多様なニーズに対応

塚本続いて、「問い合わせ窓口の業務効率化」という目的から、チャットボットの導入を決めたとのことですが、複数あるチャットボットサービスの中からスグレスが選ばれた理由を教えていただけるでしょうか。

宮前実際にスグレスを使ってみたときにFAQの更新や利用ログ等が分かりやすく、初めて使用する人にも使いやすそうだったことに加え、回答精度が高かったため他のサービスからスグレスへ切り替えました。何社か比較検討をした際に、スグレスの回答精度は7~8割と一番高く、それでいて費用も安いという点が魅力でした。

さらに、ALBERTにカスタマイズ対応をしていただけたのも大きな選定理由でした。 スグレス導入に先だって、我々はトヨタグループ各社に「チャットボットに必要な要件」「これは外せない機能」についてヒアリングを実施しました。例えば、「サジェスト機能がある」、「ログを分析できて、一目で利用状況や効果がわかる」、「正答率がグラフでわかる」等の要件が挙げられました。他にも、システムを止めることなくFAQを更新できる点等、20~30件もの項目がありましたが、カスタマイズ等にも対応しながらスグレスはその項目を全て満たしていました。 その結果、「これならトヨタグループ各社に対して提供できる、広めていくことができる」重要なツールだと感じ、スグレスの導入を決定しました。

また、スグレスはシステムを止めることなく毎月のように機能改善・追加がされており、今後も発展性がある点にも魅力を感じています。

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部 宮前様

塚本ALBERTでは、お客様からのご意見等をもとに、ALBERTの開発・運用チームが日々スグレスの機能改善に取り組んでいます。

宮前実は、スグレスの性能以外の点でも、今回選定理由の一つとなった要因がありました。それは、トヨタグループでの自動運転領域における技術開発で、ALBERTとの協業実績があった点です。グループ各社と話をする中で、ALBERTの企業説明をする際、「自動運転で一緒にやっているあの会社ですね」と言っていただけるぐらい認知されていました。すでに信頼関係ができており、後押しをしてくれるグループ会社様もいらっしゃいました。

塚本非常にありがたいお言葉です。ALBERTでは様々な産業・分野のプロジェクト実績があり、そのノウハウを全社で広く活用している点も強みですので、今後も様々な角度からトヨタグループの事業を加速させるようなご支援をしてまいります。

トヨタグループ向けの導入について、現在の実績やご利用いただいての反響などはいかがでしょうか。

宮前スグレスは、トヨタグループ各社のニーズを満たすサービスであると自信を持っています。我々からトヨタグループ各社へ販売することを決め、2020年の7月に営業代理店契約を結びました。現在、5社へ合計19体のスグレスを導入しています。さらに、スグレスを自社で展開するなかで得られたノウハウも活かしながら、ツールの導入だけではなく導入後の活用支援も行っています。
「チャットボットで働き方改革を進めたい」「社内の問い合わせ対応が大変で困っているからチャットボットで対応したい」「クライアント対応でチャットボットを使用したい」など、各社から様々なニーズに対して、我々が導入や活用をサポートすることでスムーズな課題解決に向けた取り組みを進めています。

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部の担当者の皆さま

さらに、先ほどもお伝えした導入実績以外にもすでにたくさんの引き合いをいただいている状態で、今後も導入数は増えていく見込みです。 トヨタグループのITヘルプデスクやCAD業務のサポートでは、時差がある海外からの問い合わせ対応等の業務でも活用されています。具体的な件数はお伝えできませんが、1日数件程度の問い合わせに対して、時差のためにこれまではタイムリーな対応が難しかったのですが、スグレスを導入することである程度解決できました。

また、最近ではコロナウイルス感染対策の影響で在宅勤務等も増えており、今までは気軽に聞けていたことが聞けなくなった、相手の顔が見えにくいため質問のタイミングが難しくなったという声もよく聞きます。そんな時、スグレスであれば気兼ねなく24時間聞けるのでご好評いただいています。また、さらなる働き方改革の推進のためにスグレスを導入されている企業もあります。

大橋補足させていただくと、やはり最初はFAQの作成方法についてお客様から聞かれることが多いです。どのように正当率を上げていけばいいか、ログをとってもどの部分を活用すれば精度を上げられるのかといった点が分からない、というご質問です。そんな時に、我々が19体のスグレスの導入支援を通じて蓄積してきたシステム構築や運用ノウハウを活かし、スムーズな導入をサポートしています。トヨタグループ向けに、FAQの効率的な作成方法や正答率向上のための施策、効果的なログ分析等についての支援を行っており、それによって「正答率が上がった」との声もお客様からいただいています。

さらに、「チャットボットとはそもそも何か、具体的には何ができるのか」がよくわからないという声もあり、トヨタグループ向けにチャットボットセミナーを我々で開催しています。それによって、スグレスの認知度を向上させ、引き合いの増加につなげることができました。

株式会社ALBERT 営業担当 塚本

塚本様々な方法でスグレスの導入支援をしていただいており、ありがとうございます。 弊社のスグレスカスタマーサクセスチームも御社と密な連携を取らせていただいていますが、カスタマーサクセスチームへの印象はいかがでしょうか。先ほどもおっしゃっていただきましたが、スグレスのカスタマイズに関してはできるだけご希望に沿えるように、サポートメンバーがご支援させていただきます。

大橋お客様の環境によってスムーズに導入できない場合や新しいことをやってみたいというご要望があった際に、御社カスタマーサクセスチームにはよくお電話をして、非常にお世話になっています。

日野先程、現時点で引き合いをたくさん頂いているとお伝えしましたが、中には他部署での利用状況をご覧になり自分たちの部署でもぜひ使いたいというご意向で導入につながった事例もあります。また、当社ではMicrosoft Teams(以下、Teams)にアプリとしてもスグレスを入れており、Teamsを利用しながらスグレスも利用できるようになっています。現在はポータルとTeamsにスグレスを導入していますが、どちらかといえばポータル経由が主流で、業務でポータルを使いながらスグレスを使う人が多い状況です。

「一人ひとりにバーチャルな秘書を」
更なる業務改善に向けたスグレスの能動的利活用への挑戦

塚本それでは最後に、プロジェクトメンバーの皆さんの感想や今後の展望等について教えてください。

中山スグレスを導入して、社内のファイルサーバーにある申請書ファイル等を探す時間が格段に減りました。特に、コロナの影響による在宅勤務への急激なシフトに伴って、社内ルールを変更する頻度も増えていますが、頻繁なルール改正にも、FAQを都度更新することで、チャットボットが最新情報をすぐに回答できるようになっています。それに伴い、人事等の担当者へ問い合わせることなく社員が自己解決でき、業務改善の効果が出ていると感じており、業務上欠かせないツールの一つとなっています。
現在、トヨタシステムズで扱っているスグレスは質問された内容への受動的なFAQ回答機能のみですが、スグレスから話しかけたり提案を行ったりする能動的なAPIの開発をALBERTと取り組んでいます。その結果、業務全般において「スグレスが社員をサポート、アシストする」という大きな目標の道筋が見えてきています。
今後は、スケジュール調整やタスク管理等、社員一人ひとりに寄り添い、それぞれの業務をサポートするバーチャルな秘書としてスグレスを活用していきたいと考えています。

宮前スグレスの利活用がトヨタグループに浸透しつつあると感じています。グループ向けに行っているWebセミナーでは、多くの企業が参加され非常に興味を持っていただいており、チャットボットを利用したいというご要望も増えています。業務改善に有用なツールとして、引き続きスグレスの利用用途の拡大を進めていく予定です。
今後の展望としては、スグレスは対話形式のユーザーフレンドリーなシステムなので、ALBERTとも連携をしてより有用な機能の実装を進め、問い合わせに答えるだけでなく、さらに活用できる範囲、支援できる業務を拡大していきたいと考えています。

株式会社トヨタシステムズ オフィスアプリケーションサービス部の担当者の皆さま

大橋先程もお話しましたが、コロナによる在宅勤務者の急拡大に伴い、ここ数年でチャットボットの利活用促進プロジェクトが大きく広がっていると感じます。多いときは、トヨタグループで活用されているスグレス利用数が1万件を超えるほど需要が高まってきています。また、1つの企業でスグレスを導入されると、実際使用してみての効果を実感いただくことができるため、そこから派生して複数部門への引き合いにもつながりやすく、「まずはトライアルから」という案件が現在20件程あり、需要が急拡大していると感じています。
トヨタグループでは問い合わせ対応業務のために、多くの工数が使われていると聞いており、各社各部ごとに様々な業務改善の取り組みが行われています。その中で、私たちはコストや性能面からスグレス活用によって業務改善にかなりの効果的があると考えています。スグレスをトヨタグループに広げ、「チャットボットといえばスグレス」と言っていただけるよう、さらに展開していきたいと考えています。

日野頻繁に同じ問い合わせに対応することが減り、その分、より生産性の高い業務に時間を使うことができるようになったと言う声を実際にいただき、在宅勤務が増えている現在、スグレスの導入が業務改善につながっていると感じます。チャットボットには時間やタイミングなどを気にせず気軽に問い合わせができ、その場ですぐに回答が得られる点も導入の大きなメリットだと思うので、より多くの方に利便性を知ってもらい、実際に体験していただきたいです。

塚本ありがとうございます。 私たちもスグレスがトヨタグループ内での標準のチャットボットとして皆さんの期待に応えていけるよう、一緒に取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

※2021年11月掲載。本文中に掲載されている制度や事例、部署名、役職等の内容は、掲載当時のものであり、
現在はそれらの内容が実在していない、あるいは変更されている可能性があります。

CROSS TALK