CROSS TALK

DX人材の全国的な普及には基礎知識から浸透が必要。
マイナビが新たなDX人材育成サービスで社会と学生をつなぐ

進学、就職や転職、結婚など日常生活のあらゆるシーンで情報を提供し、ユーザーの人生や暮らしのインフラを目指すマイナビは、HR領域を中心にグローバルな事業を展開しています。
従来から優秀な人材の採用が企業にとって大きな課題ですが、特に近年のデジタル技術の活用ニーズは大きく、DX人材への需要が高まっています。企業や学生など多様なユーザーにサービスを提供しているマイナビでは、移りゆく社会情勢の変化に対応し、新たなサービス価値提供に取り組んでいます。

今回は、株式会社マイナビの事業推進統括事業部 事業部長の林様(左から2番目)と人事統括本部 採用部 部長の谷本様(左)に、今期サマーインターンで新しく導入された学生向け「DXインターン」の実施についてALBERTの巣山(右)がお話を伺いました。

※この座談会は、2021 年11月に新型コロナウイルスの感染対策を講じたうえで実施しました。

マイナビ独自のDXインターンコンテンツを実施

株式会社マイナビの皆様

巣山まずはお二人の仕事内容について教えてください。

谷本元々はずっと営業をしていまして、2019年から今の人事採用の仕事に着任しました。人事統括本部では主に営業職やエンジニア採用など新卒採用全般を担当しています。どちらかというと、学生に相対するというより年間の全体スケジュールや進捗管理等をメインにやっています。その流れで今回インターンシップについてのご相談させていただきました。

私は「マイナビ20xx」という就職情報サイトを管轄する就職情報事業本部と「マイナビ転職」を管轄する転職情報事業本部の両部門にまたがる事業企画部門の責任者を務めており、商品設計や営業支援、販促、社員研修、内部統制などが担当になります。
ALBERTさんとは協業の発表に合わせて、主には就職領域におけるサービス展開に関して、あらゆる方面でご一緒させてもらっています。今回、人事で実施したインターンもその取り組みの一つで、テストマーケティングの一環として人事側に取り入れてもらいました。今後、今回のコンテンツを横展開する形で多くの企業様に提供していくための取り組みとして考えています。

巣山ありがとうございます。
両社の協業開始は2020年12月で、谷本さんと最初にお話させていただいたのは2021年2月ぐらいだったと記憶しています。どういう経緯で当社に今回のお話をいただいたのでしょうか。

株式会社マイナビ 谷本様

谷本元々、現状のインターンコンテンツに何か新しいことを取り入れたいと思っていました。そのなかで協業が決まったALBERTさんにコンテンツに関するご相談をした際、項目や内容を見ていて「これは今うちの会社にはないものが結構あるぞ」とちょっとピンときたというか。エンジニア向けだけでなく文系の総合職として働いている社員やこれからDX人材を目指そうという学生に向けて、何か機会提供ができるかもしれないと感じていました。

巣山なるほど。最初は御社内で協業領域の検討をしていただいたところから始まっていたのですね。

谷本はい。ちょうどインターンの相談先を探していたタイミングでした。

谷本が「ピンときた」背景をもう少し補足しますと、まだまだHR業界は非効率なことやブラックボックスがとても多く、もっとデジタル技術を活用して効率化・透明化を図っていかないといけない、という思いが根本にあります。この中でALBERTさんと話す機会があり、課題に対する良いコンテンツがあると認識したときに、谷本の中でつながって「ピンときた」のではないかなと思います。

谷本まさにそうです。私がこの一年を通して思ったのは、データサイエンス領域とマーケティング領域の職種については、あえて線引きする必要がないということです。ベースとしてデジタル技術を活用して「ロジカルに考えて数値を基に物事を組み立てていく」という考え方は、担当領域に関わらず全員が共通認識としてあった方が良いと思っています。

巣山谷本さんは最初にお会いした時から「全員が数字を元にロジカルに語っていけるように」とお話されていた印象があります。当時はそういった素養のある学生を募集するためにはどうすればいいかというご相談がありましたが、その点で林さんと別件で検討していたDXというテーマが重なったわけですね。

採用市場における「DX人材」の定義とは

巣山当初、林さんとの話の中ではジョブ型採用というキーワードが度々出てきており、データ活用や今回の取り組みにも近い要素があると思っています。DX人材のジョブ型採用について採用市場ではどのように認識されているのでしょうか。

中途採用の場合は「技術がある、スキルがある、知識がある」ことを明確に整理できれば、DX人材として求められる要件は比較的わかりやすいと思います。一方で、学生に関して採用担当者に「DX人材とはどんな人材だと思いますか?」と聞くと、明確に答えられる人はまだあまり多くない印象です。企業側は、現場でも生産性を高めなくてはという雰囲気が浸透し始めており、経営陣が目指すデジタル技術の活用イメージもより理解が深まってきています。採用担当者も担い手となる人材の採用に取り組まなければいけないという意識が高まっているように感じます。
ただ、そのDX人材と呼ばれる人たちに対して、どうやってアプローチして採用すればいいのか、特に新卒採用界隈では、まだ手段が確立されていない状態かと思います。

巣山おっしゃる通りだと思います。DX人材と言っても実は定義が明確でない部分が多いですからね。
今回、谷本さんにサマーインターンで使っていただいたコンテンツは、DXの基礎の基礎についてでしたが、今後さらに広がっていくことが予想されます。

株式会社マイナビ 林様

データを活用するための知識と実務を結びつけ、学生を育成するインターンを提供

巣山元々、御社が実施していたウェブマーケティングのコンテンツに対して、当社が要望をお伺いしながら新しいコンテンツを今回作成させていただきました。開発の際に重視したポイントやこだわった点、また実際にコンテンツを活用して実施したインターンの詳細について、お話を伺えますか。

谷本意識していたことが3つあります。まず1つ目が、ある程度ベースとなる知識をこちらから提供できるようにすることです。2つ目が、それらを受けた次の選択肢としてマイナビへの入社検討に至ること。3つ目が、それらをトータルしてインターンシップで学生を育成できること。 この3点目が大事な要素だと考えており、企業と学生が相互理解を深めるだけではなく、やっぱり学生が勉強してきたことと社会をどう繋げるか、これがまさにインターンシップの役割だと思います。学生を育成できるコンテンツができたらいいという思いがありました。

巣山今回は、学生の方が受講する前に御社の皆様に受けていただくというプレ講義がありました。実際に受けていただいてどうでしたか。私は講師をさせていただきましたが、本来の受講者が皆さんのその先にいるといういつもと違った形でしたので緊張しました。

谷本受講してみてすごく勉強になりました。座学で知識を得ながら、実際にワークショップを行う形式だったので、「この知識はここで使うのか」というのが理解しやすかったです。そうやって知識が実務につながることを体感できる非常に有益な機会でした。一方で、これはファシリテーション力が一定レベル以上必要になるなと感じました。巣山さんは緊張されていたとおっしゃいますが、全然そんな風には感じませんでしたし、やはり人前に出た時にそのあたりのスキルが必要だなということを、改めて痛感しました。

巣山逆に当社に圧倒的に足りないと感じたのは学生目線でした。普段ビジネスマンに向けて研修講義を行っているのと同じ粒度で学生に話してもまず興味を持ってもらえませんが、御社では既に学生の視点で物事を考えるベースがあります。私たちはずっと企業と相対しているからこそ、今回御社との取り組みの中で新しい気づきが多くありました。 学生の方が参加したインターンシップは、実施されていかがだったでしょうか。

株式会社マイナビの皆様

谷本新しいコンテンツは今期のサマーインターンで2回実施しまして、まずは学生に自分達にあったレベル感を伝える又は教えることを目的としました。学生が次のステップに向けて、正しく体系的に理解した上で次のステップに臨める状態にできることを目指して実施し、現在その成果が次に結びついている状態です。 一方で、座学の時間が長くなるとどうしても研修的な感じになってしまうので、それをどうインターンに落とし込んでいくか、学生の興味を引き付けるかという部分は、例え話やいろんな工夫などを含めて、メンバーが頑張った部分です。 総じて、まずは実践し、結果として目的を果たせたという点で非常に良かったと実感しています。

論理的思考を問うことで、インターンのレベルが上がる

巣山今回、参加された学生の方たちの属性の特徴や傾向、応募者数の変化などはあったでしょうか。

谷本応募者数に関しては、昨年実施したときとそんなに大きくは変わりありませんでした。ただ、現場に負担がかかるために多くは開催できませんでしたが、それでも2回実施して100名程に参加いただきました。新しいコンテンツの提供に慣れることで、参加者数のキャパシティを従来より広げられると感じています。
学生の傾向に関しては、マーケティングを学んでいる文系の学生から、理系で各分野を専門的に学習してきた学生まで幅広い層が参加しており、まずは入り口として広く参加者を集められる点においても、打ち出し方も含めて非常に良くマッチしています。

巣山もともと実施していたインターンコンテンツの課題感として、最終的にアイデア勝負や飛び道具みたいな結論が多く出てきてしまい、ベースになるロジックや数値に基づいた視点が足りないというお話がありました。そういった課題感に対して、今回の新たなコンテンツを実施してみて変化は感じられたでしょうか。

株式会社マイナビ 谷本様

谷本その点では去年と比較して明らかに違いを感じました。また私たちも、どうすれば学生にとって密度の濃いコミュニケーションが取りやすいグループ分けになるのか、根拠を持って示せるようになりました。そういった点でも昨年とは全くレベルが違うインターンになったのではと思います。

巣山インターンに参加した学生の方からの反応はどうだったのでしょうか。

谷本学生からは、参加してよかったという声や次のインターンシップに向けて何をしたらいいのか、といった積極的な声が多かったですね。
1回40名くらいで2日間実施して、ほとんどの学生が最後まで受講してくれました。毎回盛り上がるので、意図的にワークショップを小まめに入れるなどの工夫もしました。
コンテンツについては、今回の内容が「難しかった」という学生が半分くらいはいたと思います。知識の問題もあるのでしょうけれども、いざ実際に活用してみるとなった時に、それを使って結論を出すことが難しく結局最後は思い付きやアイデアベースになってしまう方もいました。
1番盛り上がるのは「シェリルの誕生日」というワークショップなのですが、あれはとても論理的なので、そういう考え方ができているかどうかが如実にわかります。このワークショップで求められる論理的に考えて結論を出すということが十分にできないチームが半分ぐらいはありました。そう考えると今回のDXインターンコンテンツが難しかったという学生も一定数はいたはずです。論理的な思考ができるかの見極めになるので、今後は、当社の採用活動にも何かの形で横展開ができないかと考えています。

DXインターンコンテンツを広く展開し、全国的なDX人材の需要拡大に応えたい

巣山先程、今回のコンテンツを横展開する形で多くの企業様への提供を目指していくとのお話がありましたが、DXと人材教育というテーマで今後どのような取り組みを推進していくのか、お伺いできるでしょうか。

労働市場ではいわゆるDX人材と呼ばれる人材が少なく、これからさらに不足していくことはよく言われている通りです。そのような社会的課題に対して、採用支援を担うマイナビでは何かしらの解決策を提示しなければいけないと常に考えています。当社がALBERTさんと協業を行っていく中で、ユーザーや企業に今回のようなソリューションを提供することは自然な流れだったと思います。

都市部の大手企業はもちろん、最近は地方の中小企業からもDX人材が欲しいという要望が増えていますが、そういった人材ニーズは特定の業界や領域に偏らず、日本全体が求めている印象です。マイナビでは、そういった状況を企業に伝え、採用のアプローチ方法や人材育成について発信する手段を提供していきたいと思っています。

今回ALBERTさんと一緒に協業して横展開していくコンテンツは、DX人材になるためのスキルとしては基礎にあたる内容だと思います。ただ、その基礎スキルは学生が新卒入社する時に備わっていて損はないスキルです。日本全体でどの業界でもどの領域でも、世界と渡り合えるような人材の育成に向けてボトムアップで貢献していくという考え方のもと、ユーザーや企業向けにまずはこの基礎のコンテンツを提供し、普及させていきたいと考えています。

株式会社マイナビ 林様

巣山地方企業からもDX人材の需要があるのですね。

最近は、地方の企業様からもDX人材が欲しいという話をよく耳にします。
多くの企業がDX人材の採用を課題として認識していますが、一方でDX人材は定義があいまいで全方位的なところもあります。今は、いきなりハイレベルなことをやりましょうと言っても難しいので、まず基礎からやっていく事の重要性を発信していければと思います。

谷本2025年にはセンター試験の科目にもプログラミングが加わります。確実にその4年後にはプログラミング知識を持った新入社員が入社してくるわけですが、そういった部下をちゃんと育てられるのか、一緒に仕事をやっていくにあたって自分たちは今の仕事のやり方でいいのか、という危機感を私は感じています。プログラミングの知識を持ってなくても、データを元にした話や議論が当たり前にできるようになっておかないと、逆に置いていかれることになるなと。20代30代とこれから活躍する人達も、これから変わっていかなければと感じています。

巣山私は、プログラミングとは物事をパターン化して考えることだと思っています。おっしゃる通り、プログラミングができなくても物事をパターン化したり置き換えて考えたりできる論理的な考え方を身につけておく必要があるのかもしれません。

両社の強みを活かしてDXの更なる推進を目指す

巣山最後に、御社が今後ALBERTに期待していることを教えていただけますでしょうか。

HR業界にはブラックボックス化していること、効率化しないといけないことが山ほどあります。
会社としてやっていくべきことと私たちのスキルにはまだ乖離があり、そこを埋めてくれるのがALBERTさんだと思っています。現在は小規模なプロジェクトが多いですが、今後はより社会インパクトのある大規模な取り組みを一緒にやっていけたらと私自身は考えています。

谷本新しい知識があると絶対に仕事は変わると思っていまして、業績や周囲に与える影響も変わってきます。個人的な話ですが、私が営業で統括部長をやっていたときは、部下に対して日々の行動量や提案量を増やすよう指示するなど、古くから言われてきたことを受け継いでやっていました。今こうやっていろんな知識を身につけたからこそ、当時「今日はどういう理由でこういうリストに対してアプローチをかけるのか」「これで受注率が高まるから」という指示が出せていたら成果が変わっていたのではと感じます。上司として、そういった知識を得て理解することは今後絶対的に必要になります。また、DXはエンジニアだけではなく文系人材にとっても重要だと思っています。論理的に理解して正しくエンジニアをリードできるかがDX成功の要因になるのではないでしょうか。そう考えると、やはりレベル1から専門的なところまで、ALBERTさんでは全部サポートしてもらえるので、これからもぜひご支援いただきたいです。

巣山ありがとうございます。両社の強みを生かしながら、今お二人におっしゃっていただいたことを実現できるように、当社もしっかりご支援させていただきます。

株式会社マイナビの皆様

※2021年12月掲載。本文中に掲載されている制度や事例、部署名、役職等の内容は、掲載当時のものであり、
現在はそれらの内容が実在していない、あるいは変更されている可能性があります。

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