データ分析基礎知識

“分析力をコアとするデータソリューションカンパニー”
株式会社ALBERTが、データ分析にまつわる基礎知識をわかりやすく解説します。

状態空間モデルとは

時系列分析

時系列分析とは現象の時間変動を分析し、将来の予測などを行なうことです。時系列分析は、各時刻の観測値は前の時点から影響を受けており、独立なデータではないということが通常の回帰分析などの分析手法と異なります。例えば、あるクラスの生徒の身長から体重を予測できるモデルを作りたいという場合に、回帰分析を使って身長が1cm増えたら体重が平均的に0.3kg増えるということを知ることができますが、生徒を背の順に並ばせたとしても前後に並んでいる生徒にはなんら関係はなく、全く独立のサンプルとして扱うことができます。それに対して時系列分析では、それぞれの時点での数値は独立ではありませんので、独立を仮定している回帰モデルのような手法ではうまくデータ分析を行なうことができません。
一方で株価の時系列モデルを考えた場合、前日の値動きはどうか、上昇局面なのか、下落局面なのか、輸出入の企業であれば直近の為替の水準や動きはどうかなど様々な価格変動要因を思い浮かべるように、各データのサンプルが独立とは考えにくいです。これをサンプルが独立だと仮定する単純な回帰モデルで分析をすることは困難であり、明日の株価変動が過去の株価変動や水準、為替などの他の時系列データ、さらには観測できない市況のような要因を取り入れたモデルが必要であることが想像できます。このように、各データのサンプルが独立ではないような複雑な時系列の関係性をモデル化し予測などの分析をすることを時系列分析といいます。

状態空間モデルとは

状態空間モデルは、非常に幅広い概念で、もともとは物理システムの記述に使われていたものです。1960年代にカルマンにより、制御工学での利用が進み、1970年代、赤池により統計科学への応用が始まりました。1990年代、金融データに対する応用が盛んになり、2000年以降、ボラティリティの推定、債券価格やコモディティ価格のモデリングなどでモデルの研究が進みました。
状態空間モデルは、ほとんどの時系列モデルを表現できる汎用性の高い時系列分析のモデルです。状態空間モデルは、観測できない隠れた「状態モデル」(例えば市況)と観測した結果である「観測モデル」(例えば株価)からなります。

状態空間モデルの概念図
図2.状態空間モデルの概念図

状態空間モデルの特長

・観測できない状態を構造に組み込むことで、AR/MA/ARMA/ARIMAと比較し、より複雑な時系列モデルを構成することができます。
・カルマンフィルターをはじめとした、様々なモデルとそれに対応した数値計算アルゴリズムが知られており、多くの分野に応用されています。
・時系列予測をさまざまな要因分解の結果として行なえるため、時変パラメータの解釈や可視化が容易で、売上に対する広告影響の構造把握などができます。

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