データ分析基礎知識

“分析力をコアとするデータソリューションカンパニー”
株式会社ALBERTが、データ分析にまつわる基礎知識をわかりやすく解説します。

顧客理解の方法

『CRMの実施に関する具体的最終課題は、取引履歴として自動的に蓄積される消費者行動に関する大量データを利用して“異質”な顧客を理解し、個別対応することである ※』といわれるように、CRMそのものの課題が、“異質”な顧客を理解することから始まります。では、“異質”とはどういうことでしょうか。日本人は皆“同質”であると考えることは、日本人を分割しないで1つの同質、すなわち「同じ商品を発売して同じようにプロモーションをすれば同じように売れる人間である」と考えるという意味です。同質ではないとして、日本人をマーケティング的に最も有効な切り口で2つに分けるとしたらどのようにすればよいでしょうか。アイデアはいくつでもあります。例えば、成人と未成年、関東と関西、都会人と田舎の人などですが、分類する場合には分ける基準や理由がある程度明確である必要があり、かつ「特殊な集団とそれ以外」というような分け方にはあまり意味がありません。そういう観点で考えると、やはり男女で分けるのが最も合理的でしょう。マーケティング的には、2つに分けるだけでは不十分であり、より細かく分けなくては顧客の異質性に対応できません。

図5.性年代でのセグメンテーション
図5.性年代でのセグメンテーション

3つに分けるとしたら、子供を別区分にする方法もあるでしょう。TV、広告業界では、さらに細かい8区分がよく用いられます。こういった、「性別」と「年代」は、デモグラフィック属性などと呼ばれる最もベーシックな分類要素です。

顧客を理解するためのデータを4つに分けてみました。1番目が、デモグラフィック属性とかハードな属性といわれる「人口統計的データ」です。性別、年代のほかに、居住地、職業、年収などのように比較的変化の少ないデータです。顧客を理解する上で、最も基本的なデータであり、POSデータにおいてもコンビニの店員が性別年代を購入商品データとともに記録しています。 2番目のデータは「心理的データ」で、サイコグラフィック属性などともいわれます。価値観やライフスタイル、商品カテゴリ関与度など、外的な要因ではなく内的な要因で決まるデータです。同じ性別、年代、居住地、職業でも、その人の価値観やライフスタイルによって好みも違えば購入する品目やデザインなども変わるであろうという考え方です。 ここまでは、従来のマーケティング手法として盛んに活用されてきたものですが、3番目の行動履歴データからは特にインターネットの普及により、その活用が加速され、歴史的にも新しいものです。行動履歴データは、サイトの検索、閲覧データや購買履歴データなど現実の行動データです。いわゆる結果データといってもよいかもしれません。顧客を深く理解する上で、人口統計的データや心理的データも重要ですが、この2つだけで精度の高い行動予測はできません。靴の裏から足をかくようなものなのです。
『CRMの実施に関する具体的最終課題は、取引履歴として自動的に蓄積される消費者行動に関する大量データを利用して“異質”な顧客を理解し、個別対応することである』といわれますが、“自動的に蓄積される・・・”とあるように、様々なログデータが自動的に大量に蓄積されるようになって、行動履歴データが、現在最も注目されかつ活用されるようになりました。 4番目のコミュニケーションデータは、CGMの普及などによって無視できなくなっている主にテキストデータです。どんなワードで検索をしたのか、どんな質問をし、どんな感想を持ったか、どんな問い合わせやクレームをしたかなどの顧客と企業のコミュニケーションデータを分析することで、より深い理解ができます。購買データからは、買ったことはわかりますが、満足したのかどうか、満足したとしてもどこに満足したかまではわかりません。コミュニケーションデータにより、見た見ない、買った買わないの1/0データではなく、評価データが収集できます。まだまだ充分な活用ができていないコミュニケーションデータですが、今後の技術革新によって、極めて重要な位置づけになることは間違いありません。

※参考文献: 照井:CRM特集号にあたって;マーケティングサイエンス,Vol.16,No.1・2

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