データ分析基礎知識

“分析力をコアとするデータソリューションカンパニー”
株式会社ALBERTが、データ分析にまつわる基礎知識をわかりやすく解説します。

施策の効率性を測るリフトの概念

CRMにおける「リフト」とは、簡単にいえば「施策の効率性」といえます。リフト(Lift)は持ち上げるという意味ですが、施策を打つことによって、打たない時に比べてどの程度結果が持ち上がったのかと考えるとわかりやすいと思います。ランダムな顧客にプロモーションやレコメンドを行なった時の結果に対して、「セグメントを設定して施策を行なう」「ある条件の時はこの施策を行なう」などのルールを作った時に、結果がどの程度改善するかという概念です。

リフト率

Logreco」などレコメンデーションのロジックでもリフト値を用いています。これはある商品Aを購入した顧客に商品Bを推薦するという施策(ルール設定)をすることによって、顧客全体に商品Bを推薦した場合より、どの程度購入確率が改善するかという指標です。商品Aを購入した顧客に商品Bを推薦するにあたって、そもそも商品Aを買った顧客は他の顧客に比べて商品Bを買う確率が高くなければ推薦する意味がないわけです。

効率的なCRMを実現する上で、買ってくれそうな顧客かどうかの順位付けをすることは非常に重要です。たとえば、ランダムに選んだ10万人にダイレクトメール(DM)を送ると、1,000人が買ってくれる商品があるとします。購入確率は1%しかない。DM が1通当たり100円(ここでは初期費用はゼロと仮定しています)だったとすると1,000万円のコストがかかります。1,000人しか買ってくれないのですから、1個当たり1万円の粗利だとして、トントンで利益は出ません。

ところが、購入確率が1.5%の人だけ5万人を集めることができたとします。DM は1通あたり同じ100円で、抽出した5万人だけに送るとすればコストは500万円です。購入確率は1.5%と1.5倍になるから、5万人に送っても750人が買ってくれます。粗利は750万円、コストは500万円なので、250万円の利益が出ることになります。

このように購入確率の高い顧客に集中的にプロモーションを行なうことができれば、非常に効率的なビジネスができます。図8のグラフはDMの配信数と購入数の関係を、ランダムに送った場合と購入確率の高い順に送った場合の効率性である「リフト」の概念を表したものです。10万人の顧客をランダムに並べ 順番にDM を送ったとすると、購買確率は1%なので、5万人に送れば500個売れ、10万人に送ると1,000個売れることになります(図8の青線)。つまり、配信数に比例して商品の売上が上がっていくわけです。

次に、顧客をランダムではなく購買確率の高い順に並べることができたとします。左側にいる顧客ほど購買確率が高く、右に行くほど購買確率が低い顧客になっています。もしこのように顧客を順位付けすることができたとすれば、1万2,500人に配信するだけで50%の500個が売れ、5万1,200人に配信すれば80%の800個が売れることになるわけです(図8 緑線)。

図8.顧客の並べ替えによる効率性の改善
図8.顧客の並べ替えによる効率性の改善

一方、この時に得られる利益はどうでしょうか。10万人にDMを送ったのでは利益がトントンであることがわかっています。また、実際には初期費用がかかるので、10人や20人に送ったのでは赤字になります。となると、どこかでピークがあるはずです。これをグラフにしたのが図9で、利益を最大化するには、1万9,200通のDMを送ればよいということがわかります。この時の販売数量は577個で1,000個は売れないけれど、578個以上売ろうとすると、利益はどんどん減っていくのです。このように、リフト率が最大になるようなモデルを見つけそのROIを基に実際のビジネスに活用します。

図9.DM配信数と利益額の関係
図9.DM配信数と利益額の関係

プリントメディアのDMはこのようなコストがかかりますが、電子メールであれば送付素が増えてもコストアップは限りなくゼロに近いので、とにかく全員に送るのがよいという考えをする企業もあるのですが、これはメールのスパム化を起こし顧客が離反する可能性が高いので、電子メールによるプロモーションでも見込み客に絞って配信することが肝要です。

このページをシェアする

About

ALBERTについて