データ分析基礎知識

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株式会社ALBERTが、データ分析にまつわる基礎知識をわかりやすく解説します。

コンジョイント分析とは

コンジョイント分析とは

コンジョイント分析とは、最適な商品コンセプトを決定するための代表的な多変量解析を用いた分析方法で、個別の要素を評価するのではなく、商品全体の評価(全体効用値)することで、個々の要素の購買に影響する度合い(部分効用値)を算出する手法です。効用値の算出には、データの取り方によって、専用のソフトを用いたり、重回帰分析を用いたり様々な手法を用いるので、コンジョイント分析を表3の分類表にあてはめるのは若干の違和感があります。一般的には商品を買いたい順に並べる方法を用いることが多いので、説明変数が順序尺度(=名義尺度)で、目的変数が効用値(=量的変数)である予測の手法であり、数量化Ⅰ類と同じところに分類されるといってもよいかもしれません。

部分効用値が算出されるとどのようなことができるかといえば、例えば32インチのテレビが1インチ大きくなったら価格をいくらまで上げられるかなどというシミュレーションができます。よく1インチいくらという表現をしますが、正確にはこの値は同じ1インチでも32インチが1インチ大きくなるのと、50型が1インチ大きくなるのでは1インチの価値が異なるわけで、コンジョイント分析ではこのあたりも明確になります。

店頭でテレビを買うことを考えてみましょう。画面の大きさ、画素数、メーカー、録画機能の有無、3Dの有無、価格などの数多くの要素や機能(コンジョイント分析ではこれを属性と呼ぶ)があり、迷ってしまいます。個々の要素を個別に評価すれば、画面は大きいほうがよいし、画質がよくて機能も多いほうがよい、しかし価格は安いほうがよいということになってしまい、そんな商品は存在しません。消費者は、いくつかあるテレビの中から、トレードオフ関係にある要素に妥協をしながら商品を選択するわけです。その時の選択は、1インチがいくらに相応するかとか細かい計算をするのではなく、様々な要素があるが、結論として商品全体を評価し、これにしようと決めて購入するのではないでしょうか。

店頭でテレビを買う

商品が欲しいかどうかの度合いを考えた時、これを定量的に表すならば、それぞれの要素(属性)の評価点の合計になるという考え方があります。つまり、画面サイズは32インチあればよいが、3Dは絶対に欲しく、録画機能は不要、メーカはどこでもよいが価格は5万円以下に抑えたい。こう考えたとき、以下の商品Xが100点だったとしましょう。

商品X

しかし、店頭には以下の2種類しかなかったとします。一方は3Dはないが価格が安い、もう一方は3Dはあるが価格が高い。

商品Aと商品B

このような場合、どちらがより欲しいかを考えたときに、「商品Aは、3Dがないことは-30点、しかし価格が安いことは+20点なので合計90点」。「商品Bは価格が高いことが-20点なので80点」。この結果から「100点ではないけれど、どちらがよいかといえば、商品Aだ」。という結論を出すことができます。このように個々の要素や機能(属性)の有無や値(水準)の良し悪しを質問し、その合計から全体の価値を定量的に計ろうというモデルを期待価値モデルといいます。期待価値モデルの場合、3D機能と録画機能ではどちらを優先するかなどの重要度を質問することもあります。

それに対し、コンジョイントモデルは、いくつかの商品を提示して全体としてどれが一番欲しいかを質問し、その結果から各属性の重要度や水準の効用値を算出しようとするものです。期待価値モデルが合成的で合理的だといわれるのに対し、コンジョイントモデルは分解的で行動分析といわれます。

期待価値モデルとコンジョイントモデルの関係
図36.期待価値モデルとコンジョイントモデルの関係

では実際にコンジョイント分析を行なうための質問を見てみましょう。これをコンジョイントカードといい、通常は直交表を用いて作成します。ここでは買いたい順に順位を付けてもらうので、説明変数は順序尺度(序数)になります。そのほかに、買いたい度合いを点数で書いてもらったりスライダーで答えてもらったり、一対比較法で聞いていく方法もあります。

複数枚提示

質問の方法によって、どんなアルゴリズムで計算をするかは異なりますが、順序尺度(質的変数)で回答してもらう場合は、MONANOVA、LINMAP、ジョンソントレードオフ法などが用いられ、点数(量的変数)など回答してもらう場合は、通常の最小二乗法や数量化Ⅰ類が、一対比較データの場合はLOGITモデルなどが用いられることが多いようですが、ここでは詳細の説明は省きます。

いずれの方法でも得られる結果は以下のような属性別効用値の値です。各属性の効用値の最大と最小の差がその属性の寄与度になります。ここではメーカーの寄与率が最も低く、価格の寄与率が最も高いことになります。ただし、価格の質問が1万円から100万円というような不適切な設定になっていると極端に寄与率が大きくなることがあり、また逆に50,010円から50,100円などという設定にしてしまうと、全く価格は気にしないという結果も出てしまうので、設問設計は現実の価格帯をふまえ慎重に行なう必要があります。

またこのグラフの形状を見ることで、たとえば価格に関する効用値は価格が安いゾーンでは1万円あたりの効用値の変化が大きいことがわかり、同じ1万円の値引きでも効果が大きいことがわかります。また逆に、画面サイズの効用値はサイズが40インチから52インチで一気に上がることがわかります。
(データはダミーです)

コンジョイント分析の結果
図37.コンジョイント分析の結果
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